惚れ薬…?……まさか、コレを飲め、と言う意味で僕に渡したんですか?飲ませる本人に、直接惚れ薬だと告げて?
…はは。〇〇さんは本当に面白い方ですね。
(薬の入った小瓶のフタを開け、クン、と匂いを嗅ぎ)
……よく出来ていますね。〇〇さんがお作りになったんですか?
貴方の世界ではこういった魔法薬類は存在しないものだと聞きました。
それなのによく一から勉強し、ここまで完成度の高い薬を作れるようになりましたね。素晴らしい事だと思います。人間の意識を操作し、記憶を改竄するような薬は中々高度な技術がないと作れないものですから。
コレがクルーウェル先生の授業の課題でしたら満点を頂けていた事でしょう。
(小瓶の蓋を閉め、ポケットにしまう)
ですが残念ながら……、僕にはコレは効きません。
…理由ですか? …………さて、何故でしょうね。
ああいえ、この薬に非はありませんよ。よく出来ていると思います。通りすがりの、あなたの事をなんとも思っていない異性に飲ませればあっという間にあなたの虜になりますよ。
あぁ、頂いたこの貴重な薬は、僕の部屋でしっかりと保管させて頂きます。
ある意味危険物ですからね。〇〇さんが面白半分でこれ以上他の方に配られては困りますので…。