ふふっ……ふふふっ……ふふふふふっ…………あーっはっはっはっはっ!
なーんだ!やっぱり世の中って、ちょろ~~~いっ♪
ねぇ、見た!?私のあの圧倒的かつ超華麗かつ素晴らしすぎるパフォーマンス!
さっすがはスーパーアイドル伊織ちゃんっ。そんじょそこらのEランクアイドル程度、ちょちょいのちょいちょーいって一捻りよねー♪
……審査員の判定が結構割れてた?
あ、あれはその……ほ、ほら!あんまり差がついたら、いくらなんでも相手の娘が可哀想じゃない!?
だから一部の審査員が泣く泣く気を使って……ほんとは私に入れたかったのに、あの人たちも気の毒だわぁ。これが噂に聞くオトナノジジョーってやつなのねぇ。怖い怖い。
……それでね、プロデューサー。私、ひとつ聞きたいことがあるのよ。
アンタ、私のランクアップ祝いをしようって言ってくれたじゃない?オススメのイタリアンのお店に連れてってくれるって……確かにそう言ったじゃない?
いやね、私もほら……ぶっちゃけアンタにそこまでは期待してなかったわけ。どうせアンタってば安月給だろうし、無理させるのも可哀想だなーって。
だから超高級イタリアンなんて贅沢は言わずに、ただの高級イタリアンでいいわよって…………そう、言ったわよね?私、言ったわよね?
んで、その……まさかよ?まさかとは思うんだけどぉ…………いや、まさかね!まさかなんだけどっ!!
……このサイ○リアって、もしかしてただのチェーン店じゃないの?
コクン
や、やっぱり!やっぱりそうなんじゃない!!
なんかおかしいとは思ってたのよ!店の作りが安っぽいなーとか、店員の接客が素人っぽいなーとか、学生の客が多いなーとか……そりゃそうよね!だってチェーン店だもんね!!それが普通だもんね!!?
アンタ、私のことなめてんの!?この未来のトップアイドルたる伊織ちゃんの最初のランクアップのお祝いをチェーン店でやるって……よ、予算の都合じゃないわよ!いくらなんでも、物には限度ってもんがあるでしょ!?
うぅ……酷い……こんな仕打ち、あまりに酷すぎるわ…………!こんなことなら、パパに頼んでもっと大きな事務所に捩じ込んでもらえばよかったぁ…………!
そもそも961プロや346プロならまだしも、なによ765プロって……エアコン古すぎるし、ソファーボロすぎんのよ…………うっ……うぅ……うぅぅぅっ…………!
【お、きたきた。もう腹ペコだよ。】ひ、人の話を聞けぇっ!!このばかぁっ!!