【これはまだ、765プロのアイドルたちが売れる前の、本当に前の前の前のお話……】
プロデューサー!おっはよーございまーすっ♪
ふふんっ。相も変わらず今日もシケた顔してるわねー。ちょっとひとっ走りドブ川にでも行ってきて、じゃぶじゃぶ洗顔してスッキリした方がいいんじゃなくって?
……私の方こそ相変わらず口が悪い?ふんっ。なに生意気言ってるんだか……しょーがない。前も言ったけど、鳥頭のアンタにもう一回だけ教えてやるわ。
私はね、見た目も可愛すぎるし、家も超お金持ちだし、もひとつオマケに可愛すぎるし……これで言葉遣いまで完璧だったらあまりに罪でしょ?
だーかーらー、この素直な言葉遣いでバランスを取ってやってんの。ドューユーアンダースタン?
それにぃ、アンタ相手に媚び売ったところで一銭の得にもなんないしー?いつもあんな甘ったるい喋り方するヤツなんて、キモいだけだしー?そんなことしなくたって私ってめちゃめちゃ可愛いしー?
だーかーらー、肩肘張らずにこうやって喋ってやってんの。ドゥーユーアンダースタン、リメンバー?
はぁ、物覚えの悪い下僕の復習に付き合ってたら、なんだか喉が渇いてきちゃったわ。
ほら、プロデューサー。何かコンビニで飲み物でも持ってきなさいよ。察しが悪いわね。そんなんじゃこの先苦労するわよー?
……ちっ。なによ。その文句タラタラな顔。それじゃ、ついでにもういっこ復習ね?

私のパパ、社長の親友なのよ。もし私に歯向かうようなら、給料半分にしてもらうわ。
さて、プロデューサー。さっきのは特別に忘れてやるとしてぇ……私、喉が、渇いてきちゃったんだけどー?んー?
……にひひっ♪ん~、いい返事だわ!できればもっと早く聞きたかったけど……いいわ!優しい伊織ちゃんは特別に許してあげちゃう!これぞセレブ喧嘩せずってやつよねっ♪
さぁ、素直で良い子なプロデューサー!慈愛に満ちた私に感謝しながら、今すぐコンビニまで全力ダ~ッシュッ♪
タッタッタッタッタッ
ふぅ、やっと行ったわね。まったく、物分かりの悪いヤツ。これじゃ先が思いやられるわ。
さてと、それじゃアイツが戻ってくるまで優雅にソファーでくつろいで……げっ!?
【伊織……さま。この下僕めがオレンジジュースを買ってまいりまし……た…………?】