ちょっと……いい加減泣き止みなさいよ。みっともないわね。アンタにそこまで泣かれたら、肝心の私が泣くに泣けないじゃないの。


……伊織は本番前に泣いたからいいだろ……!?

さ、最っ低!そういうこと言うから、アンタは女の子からモテないのよ!ほんっとデリカシーも何もあったもんじゃないわね!!




でも……ありがとう。アンタのおかげで、私は本物のスーパーアイドル、Bランクアイドルになれたわ。

夢のトップアイドル……もう夢なんて言えないぐらい現実味を帯びてきたわね♪




詩花「伊織ちゃん、おめでとうっ!今日の伊織ちゃん……すっごくキラキラしてたよ!!」

詩花……ありがとう。アンタにも感謝しなきゃいけないわね。本番前、緊張してる私に話し掛けてくれたりして……あのままステージに上がってたら、私は間違いなくランクアップに失敗してたわ。

詩花「そんなことないっ!今日ランクアップできたのは、伊織ちゃんが凄いからだよ。私も自分のステージに集中しなくちゃいけないのに……途中から伊織ちゃんに釘付けになっちゃったもん。えへへっ……」

そ、そう?ま、これで前回の借りは返せたわね。ふふんっ!次はアンタが私に挑戦する番よ♪

詩花「うんっ!それにしても…………」ジーッ

……?なによ、ウチのプロデューサーのショボい顔なんて見ちゃって……見てのとおり、冴えないだけで何も出ないわよ?

詩花「……なるほど。伊織ちゃんは前から素敵な女の子だったけど……最近もっと輝いてる理由がわかったかも。ね、プロデューサーさん?」ニコッ

は、はぁっ!?ちょっと、どういう意味!?確かに今日はコイツの手柄もあったかもしれないけど……そのニヤニヤした顔はなんなの!?意味わかんないんだけどっ!!

詩花「ふふっ……プロデューサーさん。プロデューサーさんにとって、伊織ちゃんは……どんな女の子ですか?」

なっ……こ、答えなくていい!答えなくていいわよ!?


【そうだな。伊織は俺にとって…………】

【自慢のアイドルだよ。】

【俺だけのアイドルだよ。】

【理想の女王様だよ。】
Bランクアップ11