っ!!あ、アンタ……それ嫌味で言ってんの!?こんな私が……そんなスーパーアイドルなんて……スーパーアイドルなんて…………
……そうよ。そうよね。あんなに辛いレッスンを頑張ってきたのも、オーディションに落ちても諦めなかったのも、お客さんの入りが悪くても全力でパフォーマンスしたのも……全部、全部トップアイドルを目指すためじゃない。
それなのに私は、たかが強敵に当たったぐらいで尻尾を巻いて逃げるわけ……?トップアイドルにここまで近づいてきたのに……?今までの努力や経験や、コイツとの活動を全部ムダにするっていうの……?
そんなの……そんなの冗談じゃないわっ!!

私は常勝の令嬢、水瀬伊織よっ!私の辞書に、敵前逃亡と敗北の文字はないわっ!!勝って勝って勝ちまくる……それが私、スーパーアイドル伊織ちゃんなんだからっ!!
はぁ、私もまだまだね。ちょっと予想外のことが起きたからって、こんなに弱気になっちゃうなんて……今回ばかりはアンタに助けられたわ。その……ありがとう。
って、やだっ!もう時間ギリギリじゃないっ!?そ、それじゃ行ってくるわね!
あ、それとっ!……アンタ、ちゃーんと袖で見ておきなさいよ?自他ともに認める、スーパーアイドルの最高のパフォーマンスをね♪
【あぁ、しっかり見させてもらうよ!】