私……ほんの一瞬だけ思っちゃったの。
なんでこんな大切な日に……詩花が相手なんだって…………人が吐きそうなぐらい緊張してる時に……なに無神経に笑ってんのよって……ほんの一瞬だけど、思っちゃったの…………
さ、最低でしょ!?詩花は……私の緊張をほぐしてくれようとしただけなのに……こんな……こんな汚い感情をもつなんて……っ!
さっきからずっと強がってたけど……気づいてるんでしょ?
もう足が震えっぱなしで……喉も乾いて……心臓が今にも破裂しそうなの…………でも、そんなことより……大切な友達を一瞬でも逆恨みしちゃった自分が……許せなくて…………!
こんなアイドルが……ふぁ、ファンの皆の前で……っ……どうやってパフォーマンスすればいいのよっ!!どうして輝けるのよっ!!
もうっ……もう全部わかんないっ!!!
……ごめん、大きな声出しちゃって。私って……ほんとダメダメね。
こんな私が……詩花の横に立つ資格なんて…………
さ、それじゃそろそろ時間だから……いってくるわね?大丈夫よ。私はプロなんだもの。
絶対に……絶対に本番では最高のパフォーマンスを…………
【……ちょっと待ってくれ!】