あたしはアイドル アイドル 憧れのアイドル♪
アイドルはひとりのためにあらず♪
【会場全体の熱い視線が、ステージ上の小さな女の子に注がれる。その女の子はそんな視線を心地良さそうに浴びながら、まさに全力でアイドルをしていた。】
学校も知らない 放課後アイドルじゃ スキャンダルでおしまい♪
そんなことわかってるけど あたしだって 恋に恋するお年頃♪
【そうだ。最初は学校にアイドル活動の説明にも行ったっけ。誰も知らない、Fランクにもなってない駆け出しのアイドル。水瀬のお嬢様としか評価されていなかったアイドル。そんなアイドルが今、誰にも頼らずたった1人だけの力だけで会場を沸かせている。】
恋ができないアイドルは 今日もとびきりの笑顔♪
恋の歌を 歌い続ける♪
【伊織はこの瞬間、水瀬家の長女じゃない。間違いなくアイドル、水瀬伊織だった。そして、俺を含めた会場の誰もが確信していたはずだ。新たなトップアイドルの誕生を。】
あたしはアイドルアイドル 恋をしたアイドル♪
初恋はほろ苦いチョコレート♪
【ラスサビに入って、館内のボルテージはより一層高まる。もう誰もが伊織の勝利を疑わない。新たなAランクアイドルのステージに釘付けだ。】
あたしはアイドルアイドル 涙色アイドル♪
思いは心箱に閉じ込めたわ♪
【淡くて純粋な初恋に自ら蓋をした、とある女の子の切ない恋物語。それを伊織はこの大舞台で、過去最高のパフォーマンスで表現してみせた。あぁ、くそっ。俺が泣いてどうする…………でも、伊織。少し気が早いけど言わせてくれ。】
スポットライトを浴びて♪
小さな星は輝く♪
『……だって、アイドルだもんっ。』
アイ ラブ エブリバディ♪
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ウォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッ!!!!!!!!【Aランク昇進……おめでとうっ!!】