【元気で健康的な魅力のある完璧な響には、完璧なエロい水着をプレゼント!】
響「ぷ、プロデューサー!さっきの話、ちゃんと聞いてたか!?自分、エロとかそういうの苦手なんだってば~~~っ!!」
んー、でもアンタ。割と水着の仕事もノリノリでやってるわよね。結構セクシーなポーズとかもとってるし。
響「あれはファンの皆に、自分のカンペキでセクシーなボディーを自慢してるだけで……そんないやらしい気持ちなんて、これっぽっちもないってば!当たり前でしょ!?」
……なんか今の台詞、カチンときたわ。プロデューサー。アンタには見せてやらないけど、この水着は後でコイツにきっちり着せることにするわ。さ、次のメッセージっと。
響「ちょ、ちょっとー!伊織ーーーっ!!」
【響、お誕生日おめでとう。
ところで水着写真のデニムもう少し下にずらしたほうが魅力的だぞ】
ふんふん、なるほどね。アンタには一切見せる気ないけど、後でさっきの水着を着せるときの参考にしてやるわ。アンタにはぜっっったいに見せてやらないけど。
響「うぇぇっ!?ちょ、あの写真って……あ、あれでも結構際どいところまで頑張ったんだぞ!?もしあれ以上下げたら……み、見えちゃったらどうすんだよーーーっ!!」
見えたって私たちしか見ないから問題ないでしょ。いつもレッスン後のお風呂、一緒なんだし。
響「そ、そういう問題じゃないでしょ!伊織、プロデューサーの変態菌が移っちゃったんじゃないか!?さっきからおかしいぞっ!!」
ふーんだ。おかしいのはアンタのその体の方でしょ?なんで私と上背は変わらないのにそんな……そんな…………くぅっ!
響「へ?もしかして伊織、自分の方がおっぱい大きいのが悔し」
えぇと!?呼ぶメンツはどーしよっかなーーー!春香とーーー!貴音とーーー!美希とーーー!
響「う……うぎゃ~~~っ!!?そのメンツはヤバい!!ヤバすぎるって!!自分、ほんっっっとに好き勝手されちゃうって!!」
あーら!そのためのメンツだから問題ないわよ!?せいぜいモルモットの気持ちをた~っぷり味わうことねっ!!ふんっ!!
響「うぅぅ……な、なんで自分がこんな目に……それもこれも、全部プロデューサーのせいだぞ!?うわ~~~~~んっ!!」
さて、さっきの三人から秒で返信きたし、ちゃっちゃと次にいくわよ。あ、ちなみに全員参加するってさ。よかったわねー?
響「よくないっ!ちっともよくないっ!!」
【わんば響っちかなっちょ
かなさんどー】
……なにこれ。怪文書の類い?
響「ふ、ふんっ!今さらそんなこと言われたって、騙されないんだからなっ!わんねーいやーがしかんっ!!」プイッ
ちょ……え、なんて?
響「……反省さびたがー?まぁ……わんにんくーてーん言いしじたぁ……反省そーるぬでぃありばー許ちあぎーん。」
え、ちょ……反省は聞き取れたけど…………え?
響「あんなー、ぷろでゅうさぁ……わんねーうんじゅがくとぅ……しちゅ…………ぶしちやあらんさー!なぬでぃ、くりからんゆたしくっ!えへへっ♪」ニパッ
ちょ!な、なに勝手に円満ムードを漂わせてるわけ!?今の会話、最初から最後まで説明しなさいよ!ねぇってば!!
響「はぁ、やっぱり皆仲良しが一番だよね!いちゃりばちょーでーさー!」ニコニコ
むぅ、なーんか仲間外れにされた気がするわ……ちゃっちゃと次にいくわよ!ふんっ!
響「まーまー、伊織。よんなーよんなーしなさいよー?」
アンタはいい加減、標準語に戻りなさい!!
【響、お誕生日おめでとう!
スタンダードだけど、ケーキを伊織たちと作ったんだ。沖縄産の黒糖入りだぞぅ!
…あと、差出人不明の手紙が一つあるんだけど…
ファンレター?でもないような気がする…
我那覇響さんへ、って書いてあるし一応中は確認して、誹謗中傷とかその類ではないことは確認したよ。はい、これ。
???『うふふ、あなたアイドルなんでしょ?
ある場所まで一緒に来て欲しいの…素敵な所よ。
白い光が綺羅星のように舞い散って…
退屈なんてさせないんだから…』
この手紙がいつ来たって?
一昨日アイドルたちみんなが帰った後恒例の深夜残業を小鳥さんとしてて、二人でちょっと休憩してたんだ。
そうしたら突然小鳥さんの意識が落ちてどうしたのかと思ったら僕もふっと意識が落ちて…
で、はっと目が覚めたらこの手紙があったんだ。おかしいな…亜美真美かと思ったけど終電が過ぎようとしている時間だったからそもそもそんな時間まで残さないし…小鳥さんの目が覚めたのは僕の後だったし…はて?】
響「わぁ……伊織!自分、感動したぞ!料理が苦手だった伊織が、ここまで美味しそうなケーキを……しかも自分のために黒糖まで入れてくれて…………!うぅ……あ、ありがと~~~っ!!」ダキッ
きゃっ!も、もうっ……大袈裟ねぇ…………ま、いつまでもアンタに教えられっぱなしの私じゃないってこーとっ!コイツと何度も味見を繰り返したから、味は保障するわよ?にひひっ♪
響「えへへ、楽しみだなぁ……♪って、本当になんだろ。このファンレター。自分と直接会いたいファンの子からとか?」
んー、いずれにしてもアウトよね。ファンとは平等に接しなくちゃだし、ぶっちゃけ差出人が危ないヤツかもしれないもの。
っていうか、プロデューサー!たとえ誹謗中傷じゃなくても、こういう怪しげな手紙はアンタのところで止めなさいよね!?
響「ま、まぁまぁ伊織。プロデューサーも自分のために渡してくれたんだし……うーん、それにしても不思議な話だよね。もしかしてこれ、本当に異世界ファンタジーのきっかけだったりして……!」ワクワク
ばーか。アンタ、ちょっとラノベの読みすぎよ?ほら、こんなの気にしないで次次!
【響、新しい家族をプレゼントしよう。
兎?犬?よく分からないけど「ボクトケイヤク」とか「マホウショウジョ」とか「ワケガワカラナイヨ」とか珍しい鳴き声で鳴くんだ。
男の俺には懐いてくれなくてな。口も無いし、餌もいらないんじゃないか?】
響「おぉ?キミは……うん、確かに見たことない動物だな。ウサギの仲間って感じはするけど…………ねぇねぇ、キミはどこから来たんだ?教えてよー!ねーってばー!」ペシペシ
……言葉を話せるのはもうスルーするとして…………なーんかうさんくさーい。うさちゃんから感じるぴゅあぴゅあさを感じないし……そもそも願い事をなんでもひとつ叶えるって、それこそファンタジーの極みでしょ。あり得なくない?
響「んー、願い事かぁ……自分、いっぱいあるぞ!家族皆がずーっと健康で長生きできますようにとか、事務所の仲間とずーっと仲良くいられますようにとか……トップアイドルになりたいとか!」
ちょっと響、こんな与太話を本気にするわけ?それに…………
響「うん。わかってるさー。願い事っていうのは、自分自身で掴み取りにいくものだもんね。さっきのオーディションの話じゃないけど……家族との幸せな毎日も、事務所の皆との友情も、トップアイドルの称号も、自分はぜ~んぶ自分自身の力で掴んでみせる!人に頼って叶える夢なんて、そんなのつまんないしっ!」
……ふんっ。わかってるならいいのよ。
響「だからごめんな?うさ之助。キミとケーヤクしてあげることは……って、あれ?うさ之助?うさ之助~~~っ!……消えちゃった。」
多分飼い主のところに帰ったんじゃない?なんだかネコっぽい感じもしたし、ふいっと気まぐれにいなくなって不思議ないわ。
響「そっかぁ……だったらねこ吉やプロデューサーのところの二匹とも遊ばせてあげたかったなぁ…………ねこ之助!また会いに来てねっ!ばいば~~~いっ!!」ブンブンブン
はぁ……なーんか今日は、動物に振り回されることばっかりね。
じゃ、次のメッセージを読むわよー?