年の瀬に皆お待ちかねのプレゼント!『伊織ちゃんメモ♪』特別企画!響の誕生日へのお祝いコメントを返信していくわよっ♪

響「えへへへへっ♪伊織、プロデューサー!にふぇーでーびるっ!自分、今日が楽しみで楽しみで……もう待ちきれないから、家から事務所まで全力疾走してきちゃったさー!な、ハム蔵っ。」






ハム蔵「ぢゅ……ぢゅぃ…………」ウプッ

響「う、うぎゃ~~~っ!!ハム蔵が乗り物酔いしちゃったぞ~~~!!?……ん?乗り物酔い……乗り物酔い?でも自分、人間だし……人間酔い?んー、なんかしっくりこないなぁ…………」





ハム蔵「ぢゅ……ぢゅ…………ぢゅい。」バタンッ

響「は、ハム蔵~~~~~っ!!!うわ~~~~~んっ!!!しっかりしてよぉ~~~っ!!!ハム蔵~~~~~~~っ!!!!!」ユサユサユサ

ハム蔵「ぢゅ……ぢゅ……ぢゅ…………」ユサユサユサ

こ、こらっ!そんなことしたらますます酔っちゃうでしょ!?とりあえずハム蔵はあっちで寝かせておいて、私たち二人で進行するわよ!

響「うぅ……ハム蔵…………!自分、ハム蔵の分までカンペキにやり遂げてみせるからなっ!!だって自分、カンペキだしっ!!」フンスッ

ったく……頼むわよ?それじゃ早速、記念すべき最初のメッセージを引いてちょうだい。

響「うんっ!じゃあハム蔵、最初は自分の代わりにお前が引くんだ!自分と誕生日、おんなじだもんなっ!!」

は?

響「へ?」





シーーーーーン





響「……う、うぎゃ~~~っ!!そういえばハム蔵、さっき倒れちゃったぞ~~~っ!!?」

いや、アンタの頭って鳥以下なのっ!?一歩も歩かないうちに忘れてんじゃないわよ!!このおばかっ!!

響「し、仕方ないだろー!?伊織だって急に、えーと……ウサ座衛門がいなくなったら不安になるでしょ!?それと一緒さー!!」

ウサ座衛門……も、もしかしてそれ、シャルルのこと!?きーーーーっ!そんなだっさい名前と間違えてんじゃないわよ!!

そもそも私はこの子がいなくても、ちょっぴり不安にはなるけどアンタと違って無様に取り乱したりなんかしないわ!はー、ほんっと無様!!カンペキが聞いて呆れるわっ!!

響「なんだよっ!」

なによっ!!

響「ぐぎぎぎぎ……も、もういいっ!おたんちんな伊織は放っておいて、それじゃ最初のメッセージ!!」

ふんっ!ちゃっちゃと引きなさいよ!このぱっぱらぱー!!



【はぁ~、アホらし。無駄な争いする伊織と響のバースデーは無しで良いな。美希と雪歩のバースデー予算に回すか。美希と雪歩は希望の物があったら今のうちに言っておいて。】



響、ごめんね?私もシャルルがいなくなったら辛いもの。アンタの気持ち、めちゃめちゃよくわかるわ。

響「ううん。自分こそ酷いこと言っちゃったもん。わっさいびーん。伊織。」





……ちっ。なんでこの私が、こんなことでいちいち頭を下げなくちゃいけないのよ。ムカつくわね。

響「でも、ここで仲良くしておかないと自分の誕生日が……伊織だって、もしかしたら祝ってもらえないかもだぞ?」

わかってるわよ!ったく、このダメデューサー。調子に乗ってくれちゃって……っていうか、もう既に私の予算まで回してたりしないでしょうね。もしそうだったら、終わったあとに事務所内を引きずり回してやるんだから。

響「とにかくほら!そろそろ次のメッセージを読むぞ?」

むぅ……なーんか腑に落ちないけど、仕方ないわね。




ふふっ……それじゃ響!次のメッセージを読んでちょうだいっ。きゃはっ☆

響「う、うん!任せてっ!!」



【響、誕生日おめでとう!
実はうちも猫を二匹飼っていてね、せっかくだからと思って連れてきたんだ、よかったら仲良くしてあげてくれ。

ノーシュ、ルタールおいで―、さあ、ご挨拶を

ノーシュ「ねこです」
ルタール「I'm a cat.」】



響「お~~~っ♪プロデューサーもネコ好きなんだな!自分もねこ吉を連れてくればよかったぞ~っ!」

……ん?

響「よーしよしよしよしよしっ♪キミは黒い毛並みが綺麗だなー!キミの方はぽちゃっとしたお腹が気持ちいいぞ~♪」

ね、ねぇ響。ちょっと。ねぇってば。

響「ねぇ、プロデューサー!今度ウチのねこ吉とこの子たちを遊ばせてもいい!?ねこ吉も友達が増えてすっっっごく喜ぶと思うんだっ!ねっ?ねっ!?」

え、この子たち……今喋ったような…………え。

響「ん?あぁ、きっと伊織も動物の言葉がわかるようになったんだな!いいことだと思うぞっ!」ニパッ

いや、そういう話じゃ……え、だってさっき本当に…………



響「はぁ、いっぱいモフれて楽しかったぁ♪プロデューサー!さっきの話、よろしくねっ!それじゃ伊織、そろそろ次のメッセージにいこうよ!」

あ、あぁ……わかったわ…………そ、それぇ!!



【おめでとうございます、響さん
プレゼントと言ってはなんだけど、映画のヒロインのオーディション枠を二つ貰ってね、響と伊織にどうかなって。
内容は主人公と主人公が所属する組織『時空管理局』が世界を破壊しようとする『獣』との人類史を跨ぐ戦いとその中での錯綜する思惑と人間関係を描いた全七部作の大作映画だよ。
舞台は紀元1273年の聖地エルサレム。
今回のオーディションで募集されるのは六作目に登場する現地ヒロインだね。大まかな役回りは動物好きで元気な羊飼いの女の子。平和に暮らしていた村が騒乱に巻き込まれて主人公たちに救われるも両親を亡くし、主人公に同行する。いろいろあって終盤に追い詰められた主人公たちが彼女の家で代々受け継がれてきたペンダントと彼女の血筋が敵を撃破するカギになることに気が付いて…っていう感じ。
その中で両親や友達を失ったことに対する悲しみ、抗うこともできなかったという無力感、主人公たちとの交友関係や淡い恋慕、村を滅ぼした敵に対する憎しみ、無力感に打ひしがれていた中で自らがカギとなることで何もできないわけではないという勇気…とかいろんな演技が必要だし、スタントマンもいるけどそれなりにアクションもしてもらうから難しい仕事だとは思う。…正直、この仕事はハードだからとるかどうかは悩んだし、取ったとしても誰に任せるか悩んでいたんだけど…でも、二人ならきっとできると思うんだけど、どうかな?
タイトルは『騎勲渇仰遠征 ロスト・エルサレム』。
あらすじはこんな感じ。
『第六の魔神ではあるが、それまでに記録された個体とは大きく異なっている。
『獣』は世界滅亡の鍵となる聖地を破壊する役割を担っていた本来の魔神を用意できず、代わりにアロケルという魔神の名で代用したようだ。
救いを求めるだけの信仰、名声の為だけの信仰に絶望した騎士は、やがて憤怒の化身となり、黄金の杯に満ちた毒血を飲み込み、二体の獣の触角とともに聖地を、世界を破壊しようとしたのである。
時空管理局はこの触角を『魔獣赫』と正式に呼称。
渇仰の騎士を完全に撃破するまで、魔獣赫は幾たびも蘇ることを全局員に通達した。
渇望は必ずや勝利を呼ぶ。
黄金の杯よ、
抗う者たちに今一度、復活の奇跡を授けたまえ。』】



え、え~と……つまり映画のヒロインオーディションがあるってことね?ふふんっ。なかなか大きなチャンスを持ってきたじゃない。褒めてやるわっ。

響「おぉ……な、なんかよくわかんないけど、すっごくカッコいい世界観だな!自分ラノベとか大好きだし、こういうのテンションあがるぞ!ねーねー、プロデューサー。これ、原作ラノベ!?だったら明日貸してよー!役作りにも必要だし、もう一気読みしちゃうさー!」

あ、当然私にも貸しなさいよね?うさちゃんはライオンを狩るときも全力を尽くすの。自分の中で役のイメージを早めに固めて、万全の状態でオーディションを勝ち取ってやるんだから!

響「ふっふっふ……伊織、悪いけどこの役は自分が貰うっ!最近は演技のこともいっぱい勉強してるし、今回のオーディションだってなんくるないさー!!」

ふんっ。面白いじゃない。こういうときは身内同士でも全力で……私たち765プロのアイドルは、今までもそうやって活動してきたもんね。

響「うんっ!どんなときも真っ向勝負で、勝っても負けても恨みっこなし!それが自分たち、765プロだぞっ!!」

にひひっ♪よくわかってんじゃなーい!そういうわけでプロデューサー、大船に乗ったつもりでいなさいな。このスーパーアイドル伊織ちゃんが、見事主演の座を掴みとって凱旋してやるわっ♪

響「いーやっ!主演を勝ち取るのは自分さーっ!だからプロデューサー、カンペキな自分にどーーーんっと任せておいてよねっ。あっはっはっはっはー♪」



それじゃ、次のメッセージにいくわよっ!
響誕生日伊織ちゃんメモ♪【01】