雪歩「私、あの日はお買い物に出掛けてて、そしたら帰り道に犬がいて……せっかくヘルハウスがない道を選んだのにどうしようって立ち止まってたら、後ろからプロデューサーが声を掛けてくれたんです。『今日から俺がキミのプロデューサーだ。』って。」

雪歩「私、正直言ってすっごく不安でした。事務所に入ったきっかけも、知らない間に友達が応募してたのを断りきれなかっただけですし……人に自慢できるものなんてほとんど持ってないですし…………そもそも男の人、苦手ですし。」

雪歩「そんな自分のことが好きじゃなくて……そんな自分を変えてみたいって、私ずっと思ってました。思ってましたけど……こんな私がアイドルだなんて……夢、見すぎだよなぁって。正直なところ、感じてたんです。きっとこの人にもすぐにガッカリされて、呆れられちゃうんだろうなって。」



雪歩「でも、プロデューサー……言ってくれましたよね。『何かあっても、俺が雪歩のことを助けるから。』って……言って、くれましたよね。」

雪歩「優しい眼差しを向けながら言ってくれたその言葉が、その帰り道に犬から私を守ってくれた大きくて広い背中が……なんだかとっても頼もしくて、眩しくて、嬉しくて…………まだ少し怖かったですけど、この人と一緒ならって……なんとなく思ったのを覚えてます。」



雪歩「そこからも私、迷惑かけっぱなしでしたよね。特にIAに出るときなんか……プレッシャーに押し潰されそうになった挙げ句、あんな大きなステージに立てっこないってプロデューサーに泣きながら怒鳴り散らしちゃったりして…………うぅ、今思い出しても穴掘って埋まって、そのまま埋めてほしい気分ですぅ…………」

雪歩「……でもプロデューサー、絶対に私のことを見捨てませんでした。二人で秘密特訓をしようって、色々考えてくれて…………私も段々……プロデューサーとの秘密特訓が楽しみで……待ちきれなくなってて…………」

雪歩「このまま頑張ってたら、いいことがずっと続いてくれるんじゃないかって……そう思えたんです。元々後ろ向きで、期待なんかしない性格だった私が……少しだけ、自分が好きな自分になれた気がしたんです。」



雪歩「プロデューサーと出会えたおかげで、私にひとつだけ自慢できるものができました。それは私にとって勇気をくれる掛けがえのないもの……『アイドル・萩原雪歩』は、私にとっての自慢なんです。」

雪歩「まだまだ未熟でちっぽけですけど……それでも私にとっては……えへへっ…………」



雪歩「あの日に踏み出した一歩目……『First Step』が今の私に、そしてプロデューサーと一緒に歩んできた今日に繋がってる…………これってきっと……運命、ですよね……?」

雪歩「……だから、さっきも言ったワガママ、もう一度言わせてもらいます。これからも私のこと…………ずっとずっと、ず~っと……プロデュースしてください。」

雪歩「毎日私に『おはよう』って言って……緊張してる私に『笑って』って言って…………くじけそうになった私に『がんばれ』『負けるな』って……言ってくれて…………」

雪歩「……私なんかダメダメだって、つい弱音を吐いちゃったときは…………言ってほしいんです。私のこと……『素敵なアイドル』だって…………」



雪歩「プロデューサー、今日は素敵な時間を本当にありがとうございました。そして、最後にこれだけ伝えさせてください。」





雪歩「これからも私の踏み出す一歩を、優しく照らしながら見守っていてくださいね?誰よりあったかくて、大好きで……素敵なプロデューサー♪」










雪歩「うぅ……なんだか私、すっごく恥ずかしいことを言っちゃったような…………で、でも全部本当のことだし……伊織ちゃんにもワガママになっていいって言われたし…………た、たまにはいい……よね…………?」

雪歩「あ、そうだ。そろそろ伊織ちゃんのことを起こさなくちゃ。伊織ちゃ~ん。起きて~?このあとは皆でお鍋パーティーだよー?」ユサユサ

んんぅ~?おなべぇ…………?





ヒラヒラヒラヒラヒラ



雪歩「あれ?メッセージボックスから何か…………え、なにこの音……まるで掘削用建設機械が数台で走行してるような地響き…………え……え…………?」







ニカッ☆

ムッキーーーンッ☆☆

ドーーーーーンッ☆☆☆




雪歩「」







【誕生日おめでとうございます(雪歩を黒マッチョで囲む)】





雪歩「…………………………………………???????」







【雪歩さんのぉ~誕生日を祝ってえぇ~~胴上げをおぉぉぉ~~!!
それ!わっしょい!!わっしょい!!!】



雪歩「い……い゛ぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇええええええええっっ!!!?ちょ、降ろして!降ろしてぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!!」

むぅ……うっさいわねぇ…………ちょっと、いったい何を騒いで………………



……あ、なんだ。これまだ夢の世界…………





ヒョイッ

へ?





【伊織も、みんなの誕生日企画お疲れ様!それ!わっしょい!!わっしょい!!!】



ぎゃぁぁぁあああぁぁあああああああっっ!!!?ちょ、高っ!?なにこれ!!ちょ……なにこれぇぇっ!!?

雪歩「伊織ちゃ~~~~~んっ!!!助けてっ!!!!助けてぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」

わ、私こそ助け……って、コイツら序盤に帰らせたゲイども…………いやぁぁぁぁあああああっ!!?天井っ!!当たるっ!!これ当たるってぇ!!!

雪歩「わ~~~んっ!もう天井に穴掘って埋まってますぅぅぅぅぅぅぅぅううううううっっっ!!!!!」
雪歩誕生日伊織ちゃんメモ♪【08】