雪歩「ふはっ……ふははははははははっ!我が名は大魔王・ユキホエル!この汚れきった世の中を、深淵最深部より操る者よ!!はーっはっはっはっはっはっは!!」
いや、何やってんの!?さっきも言ったけど今回の誕生日企画、もう終盤よ!?なに主役自らカオスな展開にしてくれてるわけ!!?
雪歩「ふふっ……カオス、混沌の何が悪いと言うのか。さぁ、哀れな子羊たちよ。今こそ偽りの仮面を捨て、本当の自分を解放するのです…………心のもっと奥深くに眠っている願いを、秘めたる欲望を呼び起こすのです…………!」
シャラップ!黙りなさいっ!っていうか、せめて口調ぐらい統一しておきなさいよ!!
そもそも名前からして悪魔なんだか天使なんだかよくわかんないし、芯がブレブレすぎるでしょ!!
雪歩「そ、そんなことは……ありません…………萩原建設はいつでも安全第一で、社員一同しっかりとした足場を組むことで丁寧な仕事かつ迅速な工期を実現して…………」
はい、またブレたっ!もうそれ、ただの萩原建設の社員じゃない!!なに!?深淵最深部って東京都にあるわけ!!?
雪歩「う、うるさいっ!深淵最深部の王たる私に、人間ごときが逆らうなっ!!我が力で奈落の底へと埋め滅ぼしてやろうか!?」
上等じゃない!こうなったらショック療法よ!今から全力の四条流を脳天に叩き込んでやるんだから、どうなっても文句言わないでよね!?
雪歩「うらぁっ!さくっと根性入れたらぁぁぁぁぁぁあああああああっ!!」
いい加減目を……覚ましなさ~~~~~いっ!!ドンッ!!!!雪歩「う……うぅ~ん…………悪魔……怖い…………あ、あれ?私、もしかして気を失って…………い゛ぇぇぇぇぇぇえええええええっ!!?な、ななな、なにこの格好!ま、待って!見ないで!見ないでぇぇぇっ!!」
あぁ……見ない見ない…………ほら……待っててやるから……さっさと着替えてきなさい…………?
雪歩「し、ししししし、失礼しますぅぅぅぅぅっ!!!」
バタンッ!!
……この悪魔召喚プログラムってやつ……うさんくさいと思ってたけど……本物だったのね…………
紙一重で躱しきれたけど……今まで戦ってきたモンスターの中で……アイツが断トツ強かっ……た…………ばたんっ。
雪歩「お、お待たせしましたぁ……うぅ、先ほどはお見苦しい姿をお見せしてしまって申し訳…………あれ?伊織ちゃん……寝てる…………?」
くぅ……くぅ…………むにゃ…………
雪歩「……気持ちよさそうな顔してるし、起こすと悪いよね。それじゃプロデューサー、次のメッセージを読ませていただきますぅ。」ニコッ
【仕事納めに大掃除にと疲れた。雪歩を祝って癒されて眠りにつくんだ。雪歩の声が心地よい………(成仏)】
雪歩「も、もうっ!プロデューサー?だからそういう冗談は悪趣味ですってばぁ!そんなことで成仏されちゃったら私、もうプロデューサーの前では口を利けなくなっちゃいますよ?」
【やっぱり、まだ死ねないわ。雪歩プロデュースするし、まだまだ雪歩を祝いたいし。】
雪歩「あ……ふふっ♪そうですそうですぅ。プロデューサーはまだまだ、ずっとずーっと私の側にいてくれなくちゃダメなんですから。来年も再来年も、ずっとずーっと…………♪」
雪歩「……今の、変な意味じゃないですからね?変な意味っていうのは……な、ナイショですっ!さぁ、次にいきましょう!」
【ケーキとかは他の人が用意するだろうからね、冬だし鍋を用意したぞ!
フグ鍋と鮟鱇鍋だ!どっちも旬で旨いぞぅ
好きな方を食べてくれ】
雪歩「わぁ……こんな高価なお鍋を、わざわざ私のために…………えへへ、ありがとうございますぅ!実は私、お鍋が大好きで……家でもお父さんやお母さん、それにお弟子さんたちと一緒にしょっちゅう食べてるんですよ?」
雪歩「……あの、これ…………どっちか選ばなくちゃダメですか?フグも鮟鱇も甲乙つけがたい美味しさがあるというか、抹茶とほうじ茶のどっちが好きかって聞かれても答えられないようなものっていうか……それにこのあと皆で食べたら、案外すぐに無くなっちゃうかもだし…………」
雪歩「も、も~!意外と食いしん坊だなんて言わないでくださいよぉ!プロデューサーのイジワルぅ!!」ポカポカポカ
雪歩「……あ……ほ、ほんとですか!?えへへへへ……それじゃ今日は、皆でお鍋パーティーですね!楽しみだなぁ…………えへへっ♪次のメッセージ、読みますねっ♪」
雪歩「あ、次が最後のメッセージみたいですぅ…………最後は特別、心を込めて……えいっ!」
【雪歩、もっと自信持って……って言っても無理だよね?
でも、みんなも俺も雪歩を信頼してるし、頑張ってる雪歩を知ってるよ。
だから君が「ダメダメ」って言うたびに、俺は「雪歩は素敵なアイドルだ!」と言い続けよう。
誕生日おめでとう。「素敵なアイドル雪歩」。】
雪歩「……ねぇ、プロデューサー。」
雪歩「初めて会った日、覚えてますか?」