【……いってぇー、今度もう少し上手くいくと思ったけど……やっぱ強ぇわ……
あっ、雪歩!これ、プレゼントだよ。(真がプリントしてあるモゾモゾ動く抱き枕)】



……ちょっとその袋開けてみるわね。

雪歩「う、うん…………」





ゴソゴソゴソ

ゴロンッ





真(抱き枕)「ん゛~~~っ!ん゛~~~~~っ!!」

……ねぇ、これどう考えても…………

雪歩「……これ、私へのプレゼントなんだよね?だったら私がこのあとお持ち帰りしても、全然問題ないってことだよね?ね?」

ば、ばかっ!自分の欲望に身を任せてんじゃないわよ!
ほら、真っ!しっかりしなさい!今開けてやるからっ!!



ジーーーーーッ



真「ぷはぁっ!ぷ、プロデューサー!!卑怯ですよ!?ボクをぬいぐるみで夢中にさせておいて、いきなり後ろから襲うだなんて……見損ないました!男だったら正々堂々、正面から挑んできてくださいよ!!」

いや、アンタの怒りのツボも微妙にズレてない?

雪歩「真ちゃん、落ち着いてよく聞いてね?私もよくわからないけど、今回の真ちゃんは私へのプレゼントなんだって。つまり真ちゃんは私のもの、私は真ちゃんのものになるってことだから、今日から私の家で生涯仲睦まじく……」

アンタのソレはもうズレってレベルじゃないわね!ムッツリとかじゃなくて、最早サイコパスよ、それ!!






はぁ……プロデューサーと真っ向勝負をしたら満足して帰っていくって、完全に行動がバトル漫画のキャラよね。アイツが好きな甘ったるい少女漫画じゃなくて、小鳥が読んでるような少年漫画のソレだわ。

雪歩「い、伊織ちゃん……プロデューサー、ついにqじゃなくてaになっちゃったんだけど…………あれって首どうなって」

あー、大丈夫大丈夫。放っておけばそのうち生えてくるから。
ほら、次のメッセージを読んじゃうわよー?



【情熱的な言葉は苦手なので、雪歩の手の甲にキスした後、力強く抱きしめて、お姫様抱っこで教会に行くか。市役所はその後だな】



…………………………………………



ゲシッ ゲシッ ゲシッ ゲシッ ゲシッ バキッ!!



雪歩「あぁ、せっかくqまで回復してきたのに。」

ふんっ。こんな軟派なキモメッセージを送ってきたコイツが悪いのよ。私、悪くないもーん。

雪歩「……もし真ちゃんがこういうことしてくれたら私……くふっ……くふふふふ…………♪あ、でも教会に行ったら四条さんが待ち構えてて、二人で私のことを……くふふふふ…………♪そしてなんなかんやで色々あって、最終的には三人で……くふふふふふふふふ…………♪」

……あと何年か経ったら、コイツも小鳥みたいなダメ大人になっちゃうのかしら。
とりあえず今の隙に、次のメッセージを読んどこっと。



【2021年の笑ってはいけないシリーズが中止になったから765プロで独自にやろうぜ。
やっぱり一番の目玉はビンタだよな!
てなわけで誕プレも兼ねて雪歩には律子さんのビンタを受けてもらう
それでは律子さん、よろしくお願いします】



律子「で、呼ばれて来たわけですけども。」

あら、律子。帰ってきたのね。んで、疲れてるところ悪いんだけど…………





雪歩「やっぱり子供のことを考えたら、広めのお家がいいよね。真ちゃんと四条さんと私の子供……きっと二人に似て可愛くてカッコいいんだろうなぁ…………♪えへっ……えへへへへ……ふひっ…………♪」

律子「……アレ?」

ん、アレ。

律子「はいはーい、了解いたしましたー。えいっ。」



ペチッ



雪歩「はっ!?あ、あれ!?私はいったい何を……あれ、律子さん。お仕事お疲れさまですぅ。」ペコッ

律子「ん、ありがとっ。それじゃ私はこの辺で失礼するわね。あんまり騒ぐんじゃないわよー?」

はーい、おつかれー。

雪歩「?」





雪歩「律子さん、何か用事でもあったのかなぁ……えっと、気を取り直して次のメッセージを読ませていただきますね?」



【俺は雪歩………の手料理が食べたいです。幸せになりたい】



雪歩「手料理……ですか?一応作れるには作れますけど、プロデューサーのお口に合うかどうか…………」

なーに謙遜してんのよっ。アンタの作る和食、私のお墨付きなのよ?筑前煮とか肉じゃがとか、レシピを教えてほしいぐらいだわ。

雪歩「そ、そんな特別なことは何も……でも、わかりました。いつもお世話になってるプロデューサーのために、張り切って作らせてもらいますぅ!」フンスッ

あ、そのときは私の分もね?にひひっ♪



雪歩「やっぱり男の人は濃い目の味付けが好きなのかな……だったらお魚は照り焼きに…………はっ!す、すみません!次のメッセージを読ませていただきますぅ!」



【雪歩に渡すプレゼント(肩出し&背中ががっつり開いたドレス)はあるが、伊織にくれてやるオレンジジュースなぞ無い!雪歩は目一杯可愛がるし大切にするし祝うぞ。優しいし心が綺麗だからな】



雪歩「うぇぇぇぇぇぇっ!?こ、ここここ、こんな派手派手なドレス、私なんか絶対似合いませんよぉ!服を着るんじゃなくて、服に着られちゃいますぅ!!」

ちょっと!そこで私を貶める必要ってある!?っていうか、その言い方じゃまるで私が優しくなくて心が汚い娘みたい……ぜ、全力で頷いてんじゃないわよ!絞め落とされたいわけ!?

雪歩「あうぅ……ぷ、プロデューサー。それこそこの衣装、伊織ちゃんに似合うんじゃないかなって…………ほら!伊織ちゃんってパーティーとか出慣れてそうだし、私なんかよりずっと着こなせそうだよ!ねっ?ねっ!?」

ちっ、誰がアンタのお下がりなんか着るもんですか。せっかくプレゼントされたんだから、しっかりきっかり着こなしてみせなさいよ!女でしょ!?

雪歩「お、女だけどそれとこれとは話が違うよぉ!うぅ……と、とりあえず受けとるだけ受け取っておきますぅ…………」



ふんっ!誰かを褒めるために誰かを貶すなんて、人としてさいってーの行為よ。
ほら、さっさと次のメッセージを持ってきなさい!使えない下僕ねっ!!



【この年の暮れとかいう忙しい時期に募集しやがって、新年から随時募集かけておけよ、このデコ助。雪歩の誕生日は最大に祝うべきだろ。予算は下限100万からで良いかな?】



きーーーーーっ!誰がデコ助よ!このあんぽんたんっ!!ほんっっっと口の減らない下僕よね!!アンタって!!
そもそも年末が誕生日のコイツを年始から祝ってたら、24時間365日オールウェィズで雪歩の天下じゃない!ねぇ、雪歩!アンタ、そんなに祝われたいわけ!?えぇっ!!?

雪歩「い、言ってない言ってない!そんなこと一度も言ったことないよぉ!!」ブンブンブンッ

そうよね!?そのとおりよね!!?そもそもっ!万年安月給のくせになーにが『下限は100万からで良いかな?』よっ!!セレブごっこなら、あっちでいおと仲良くやって……
あ、ごっめーん!いおはアンタと違って本物のセレブだったわ!アンタと違って!!違って!!!

雪歩「あ……あぅぅぅ…………わ、私の誕生日のせいで、二人が険悪に……ふ、二人とも!喧嘩はやめ」

雪歩は黙ってて!!!

雪歩「や、やっぱりぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!」







ふぅ……ふぅ…………ふぅぅぅぅぅっ……………………!

雪歩「お、落ち着いた…………?」

えぇ、アンタの煎れてくれたお茶のおかげで何とか、ね……それにしてもコレ、美味しいじゃない。どこのお茶っ葉なの?

雪歩「えへへ、よかったぁ……これ、さっきプロデューサーがくれたお茶っ葉で煎れてみたんだ。やっぱり伊織ちゃんとプロデューサーって、そういうところで通じ合ってるんだね♪」

はぁ?……ま、いいわ。あんまり喧嘩して主役を困らせても可哀想だし、今日は手打ちにしてあげる。
プロデューサー、命拾いしたわねっ!ふんっ!

雪歩「あはははは……そ、それじゃ次のメッセージ、読ませてもらうね?…………ひぅっ!?」



【某ナカジマさんより悪魔召喚プログラムをあげよう
うまく使ってくれよ?】



雪歩「あ、あく、あく……あ……く…………きゅぅ…………」



バタンッ



ちょ、ばかっ!もう終盤も終盤なのに、今さら物騒なこと言って気絶させてんじゃないわよ!
雪歩、起きて!起きなさい!!あとちょっとなんだからっ!!

雪歩「…………………………」



スクッ



あ、よかった!目が覚めたのね!?
さぁ、こんなくだらないメッセージはゴミ箱にポイして、さっさと次に…………



スタスタスタスタスタスタスタ

バッ



へ?ちょ、ちょっと……それ、さっきコイツから押し付けられたドレスじゃない。そんなの持ってどこに……



スタスタスタスタスタスタスタ



バタンッ!!





……ね、ねぇ……もしかしてアイツ……怒ってるんじゃ…………

だ、だから言ったじゃない!やり過ぎるなって!!そりゃ私も色々キツめに言ったような気がしないでもないけど……こうなったのは間違いなく、というか100%アンタのせいよ!!

えぇ~い!言い訳なんて何の役にも立たないわ!ほら、わかったら今すぐアイツを呼び戻してきなさ~~~いっ!!





バタンッ!!!!





ひっ!?ちょ、びっくりするじゃない!いったい誰……えぇぇぇぇぇぇええええええええええっっっ!!!?
雪歩誕生日伊織ちゃんメモ♪【06】