【貴音、誕生日おめでとう
プレゼントと言ってはなんだけどドラマのオファーを貰ってきた
窓際刑事二人が事件を解決するあのドラマのオファーだぞ。ストーリーとしては内閣総理大臣が突如失踪し、それが後々殺人事件に発展するって内容だ
貴音の役柄は総理大臣の孫娘だ。ストーリーにも大きく関わるから思いきり目立てるぞ!】
貴音「ふぅ……どうやら物の怪は無事退治できたようですね。」ホッ
油断してると後が怖いわよー?なーんてっ♪
貴音「むぅ、いけずです…………して、その仕事の件ですが……もちろんお受けさせていただきます。この四条貴音、必ずや期待に沿う結果を持ち帰ってみせましょう。」
アンタも春香や雪歩みたいに、演技力は舞台で鍛えてるもんね。アイドルだからって嘗めてるような連中の鼻をあかす演技、期待してるわよ?にひひっ♪
貴音「それでは次の文を…………」
え、なに。この期に及んで、まだ変態メッセージが残ってんの?
【貴音好き。】
貴音「……ふふっ、ありがとうございます。プロデューサー。私もあなた様のことはお慕いしておりますので……率直に嬉しく思います。」ニコッ
むっ……ほ、ほら!ちゃっちゃと次のメッセージにいくわよ!こんな短いメッセージに時間なんてかけてらんないんだからっ!
【たかねっぴ誕生日おめー♪
今日ゎたかねっぴにとぉ~~っても素敵なプレゼント用意してるぉ
→赤羽根Pの全裸等身大ドール(一部誇張あり)
喜んでくれぅかにゃ?】
そのキモい口調は敢えて触れずにいくとして……こ、これは…………え、なに?
貴音「大きな眼鏡の像……でしょうか。この眼鏡は律子のもの、ではないようですが。」
いや、このフレームは多分……あ、やっぱり。これ、赤羽根Pのやつよね?
貴音「ふむ、たとえそうだとしても、なぜこれ程までに眼鏡を誇張して……」
それは私にもよくわかんないけど……ったく、絡みにくいテンションでリアクション取りにくいもん送ってきてんじゃないわよ!迷惑なヤツね!
さ、次のメッセージは…………なかったことにして、さらにその次のメッセージを……
貴音「なりません。」ヒョイッ
あ、こらっ!返しなさいっ!こらっ!!
【貴音、誕生日おめでとう!プレゼントは1年ぶりの伊織だよ。……全てはここから始まった……さぁ!1年たって色々大人になった伊織を堪能してくれ!!】
貴音「……ほう。これは…………」
あ、アンタねぇ!今年もいったい何の権限があって、この伊織ちゃんを勝手にプレゼントしてくれてるわけ!?
ログじゃなくてWeb拍手に送ってくるだけの知能はついたみたいだけど、それ以外はまんま一緒じゃないの!このばかっ!!
貴音「いえ、伊織。よく考えてみるのです。今回は一時とはいえ物の怪にプロデューサーが支配されてしまうなど、平和そのものであった前回とは明らかに異なります。ここで原点に立ち返り平静を取り戻すことは、この場での最善策と言えるのではないでしょうか。」
ちっ、相変わらず小難しい言い回しをするわね……んで、結局どうすんのよ。
貴音「つまり単刀直入に申し上げますと……」
パシンッ
貴音「かもんっ!」
……はぁ、仕方ないわねぇ。
ポスンッ
貴音「どうですか?私の膝の具合は。」
ま、悪くはないわね……アンタこそどうなのよ。この伊織ちゃんを膝枕できるだなんて、最高の誕生日プレゼントなんじゃなくって?
貴音「……前も言ったでしょう。これに勝る贈り物はないのかもしれない、と。ねぇ、伊織?」ナデリ
ん……勝手に撫でてんじゃないわよ…………♪
貴音「それではこの幸せな重みを感じながら、次の文を読ませていただきましょう。」
はぁ、ほんとモチモチでふわふ……わぁぁぁあああああっ!!?
貴音「きゃっ!い、伊織。いきなり何を……そこまで昨年を模倣せずともよいのですよ?」
そんなのどうだっていいのよ!ちょ……そこのバカデューサー!ちょっと来なさいっ!!
【誕生日プレゼントに愛しの伊織を捧げる
貴音の好きなように愛してやってくれ
その間俺は亜美と真美に押さえつけられて伊織が弄ばれる場面を絶望に満ちた表情で見ているから】
なによ、このアンタの歪んだ性癖丸出しのメッセージは!人の誕生日に送る言葉としておかしいでしょ!?
貴音「はて……先程の文とおおむね同じ内容にも思えますが。」
甘い!甘いわ、貴音!このバカデューサーはねぇ、アンタの誕生日にかこつけて自分の醜い欲求を満たそうとしてるのよ!?私にはバッチリお見通しなんだから!!
貴音「ふむ、これが恋人同士の阿吽の呼吸というものなのでしょうか……しかしながらせっかくの心遣いを無下にはできません。真美。亜美。」パチンッ
亜美「がってんだよ!お姫ちん!」
真美「いおりん、お覚悟~っ!」
ガシッ
むぎゅっ……ちょ、ちょっとアンタたち!二人で乗っかってきたら重いでしょ!?降りなさいっ!!
亜美「やっだも~ん。大体いおりんだけお姫ちんを独り占めなんてズルいっしょ!?亜美たちだってお姫ちんのこと、めちゃんこ大好きなのに!!」
真美「だから兄ちゃんを押さえつけるんじゃなくて、いおりんを押さえつけつつお姫ちんに甘えることに作戦変更したんだYO!ほれほれ、兄ちゃん……愛するいおりんが我々に押し倒されてる気持ちはDo-Dai?」
きーーーっ!変な表現するなーーーーーっ!!
貴音「ふふっ。真美?亜美?私もあなた達のことが……めちゃんこ大好き、ですよ♪」ニコッ
ぜぇ……ぜぇ…………あ、嵐のように来て嵐のように帰っていったわね……あのワルガキども…………
貴音「えぇ、あの二人からはいつも元気を貰っています。ところで、伊織。もう膝枕はよいのですか?」ポンッ
結構よ!また双子を召喚されて、アンタの膝でサンドされたら堪んないもの!ほら、次次っ!
【貴音の誕生日プレゼントにスペシャルゲストを呼んだよ。貴音の大ファンで、某大企業の御曹司。身長187センチの細マッショ系の池杉 美男(いけすぎ よしお)さんだ
美男「はじめまして。池杉です。貴音さん、お会いできて光栄です。お誕生日おめでとうございます。テレビで観るよりずっと魅力的な女性だ(イケメンオーラ炸裂)」】
あら、池杉さんじゃないですか!お久しぶりですっ♪こんなこじんまりした事務所にわざわざ足を運んでいただいて、なんだか申し訳ないわぁ。
貴音「おや、伊織はこの方と面識があるのですか?」
ま、家の関係でそこそこにね。ほら、今日はアンタの誕生日を祝いに来てくれたみたいよ?お礼ぐらい言っておきなさいな。
貴音「これは失礼を。池杉殿、お心遣い痛み入ります。そのようなお言葉を頂けるとは、まさにあいどる冥利に尽きるというもの。今後も私のみならず、私たち全員の活動を見守っていただければ幸いです。」ペコリ
それじゃ、池杉さん。お父様にもよろしくお伝えくださいね?ほら、プロデューサー。池杉さんをお見送りしなさい。ほらほら。
ガチャッ
ふぅ……あ゛~、疲れたっ!ったく、あのバカデューサー。外から人を連れてくるなら、ちゃんと事前に一声かけなさいっての。
貴音「まぁ、よいではありませんか。話を聞く限りは池杉殿も多忙の身。その合間を縫って、今日は足を運んでくださったわけですから。」
えー?でも、なーんか下心がありそうじゃなかった?そりゃカッコ悪い男は論外だけど……私、ああいう顔がいいだけの軟派な男はきらーい。Jupiterのチャラ男と同じ匂いがするー。
貴音「ふむ、そのような面妖な気配はありませんでしたが……なるほど。確かにプロデューサーとは違う雰囲気の方でしたね。」
でしょー?そもそも芸能界にはあれぐらいのイケメンなんて掃いて捨てるほど……って、なんでこのタイミングでアイツの名前が出てくるのよ。
貴音「さぁ、なぜでしょうか……ふふっ♪」
むぅ……腹立つヤツっ。
ガチャッ
あ、プロデューサー。ちゃんと見送ってきた?アンタはもう水瀬の家と無関係じゃないんだから、恥かかせるような真似しないでよね!
貴音「それではプロデューサーも帰ってきたことですし、
次の文を読ませていただきます。」