【うーん、年ごろの女の子の欲しがるものなんてよくわからんなぁ
じゃあプレゼントとして一日だけ美希の言うことを何でも聞いてあげよう!
もちろん、出来る範囲でだけどネ!】
美希「……ほんと?ほんとにミキの言うこと、何でも聞いてくれる?」
ほら、美希。お言葉に甘えて何でも言ってやりなさいよ。やっぱりアレ?豆腐の角に頭をぶつけて死んでほしいとか?
美希「そ、そこまでは……じゃあ、そこのひ……プロデューサー。プレゼントはいっぱい貰ったから、もう今日はえっちなこと言わないで、いつもどおりミキと楽しくおしゃべりしよ?ミキ、プロデューサーのこと普通に好きだし……あ、もちろん一日だけじゃダメだよ?『そこの人ポイント』を0にしてあげるんだし、ちゃーんと守ってくれないと怒っちゃうんだから!」
えー、ちょっと甘すぎじゃなーい?紐なしバンジーとか、誠意の腹筋10000回とか、そういうのじゃなくていいわけ?
美希「でこちゃん、実はプロデューサーのこと嫌いなの?」
美希「それじゃ仲直りしたところで……次のメッセージをよろしくなの。プロデューサー♪」
【お誕生日というところで、まずはオーソドックスにケーキをあげよう!伊織との合作だ、遠慮なく食べておくれ
んで、芸能界という夜空にひときわ輝く一番星である君にラピスラズリのイヤリングをあげよう。
気障で似合っていないのは伊織にさんざん言われたし承知だけど、それでも。
いつかどこかでどうすればいいかわからなくなってしまった時に、夜空に一等輝く星があなたの道しるべになりますように。】
美希「わぁ……!やったやったやった~っ♪仲直りしたら、すっごくいいもの貰っちゃった~♪」ピョンピョン
ま、誕生日ケーキもすっかり作りなれたもんよ。もしかすると、今の私なら春香よりも上手に作れたりして!にひひっ♪
美希「うんうん。でこちゃん、お料理めちゃめちゃ上手になったもんね。食べる専門のミキが言うんだから間違いないの。本当だよ?」
び、微妙に信用ならない評価基準ね。って、アンタ……どんだけそれ根に持ってるわけ?仕方ないでしょ?普段はショボショボ系男子なんだから、事実を言ったまでよ。ふんっ。
美希「へぇ……プロデューサー!このイヤリング、超超超良いカンジ!前も思ったけど、プロデューサーって意外とこういうの選ぶセンスあるよね。ミキ、すっごく気に入っちゃった♪」
……プロデューサー、後で私にもそのイヤリング寄越しなさいよ。前に貰ったのはネックレスだったし……や、約束したからね!?次の誕生日のとき、必ずだからね!?
美希「ねぇねぇ、でこちゃん。このイヤリング、ミキに似合ってる?」
ぐぬぬ……あ、アンタずるいのよっ!金髪と宝石の蒼色が絶妙にマッチしてて…………くぅっ……!
美希「あはっ☆ありがとーなの!ふんふんふ~ん♪次のプレゼントはなっにかなー♪」
【美希にこの服をプレゼントしよう。
きっと似合うと思うぞ!(例の紐の服)】
美希「……なっにかな~♪」ゴソゴソ
現実逃避してないで現実と向き合いなさいよ。いや、気持ちはすっごくわかるけど。
美希「プロデューサー、あのね?……え、このダサダサな服、なに?」
ほんと何なのかしら。このデザイン……変に露出が多くて論外な点はもちろんだけど、このリボン…………もしかしてこれ、両腕に巻き付けて胸を強調させる目的なわけ?
美希「いやぁ、これはミキ的にはナシ寄りのナシかなぁ……ちょっとぐらい大胆な衣装でも、可愛かったりビビビッときたら着ちゃうけど…………うん、これはナシなの。」
ったく、せっかくさっきセンスを褒められたばかりなのに……このエロデューサー!
美希「はぁ、でこちゃんも大変だねー。彼氏がこんなにえっちだと、変なこと求められたりしない?そういうときは、ちゃんとヤ!って言うんだよ?」
はぁ、言われなくてもわかってるわよ。さ、次のメッセージ…………あら?
春香「……………………」
春香、どうしたのよ。まだコイツの誕生日企画の途中だから、急ぎじゃないなら後で……
春香「……これ。」ヒラッ
ん?……ぶふっ!!
【誕生日プレゼントに「肉がすごい」アイドルを用意しました。存分に堪能してください。】
ぶふっ……ちょ…………んっふ……!くくっ……あははははっ♪もー、だめぇ!!あっははははははは!!!
春香「なにがおかしいのっ!?いきなりこの紙一枚渡されて、強制的に連れてこられた私の気持ち考えたことあるっ!!?」
ひぃ……ひぃぃ…………ちょ……顔見せないで……その何ともいえない表情が……ぷふっ!あははははっ!!あははははははははっ♪
春香「くぅ…………えぇい!もうこうなったらヤケだよ!さぁ美希、私のお膝に頭を乗せなさいっ!!春香さんのお膝、空いてますよ!!?」ボンボンボンッ
美希「え、ほんと!?やったやったやった~~~♪それじゃお言葉に甘えて……ごろーんっ♪」
ポフッ
美希「あ~~~、やっぱり春香の膝枕は格別なのぉ……このあったかさとふかふか感は、春香じゃないと再現できないっていうか…………やっぱりアレだね!肉がすごいっ!」ナノッ!
春香「あぁそうっ!ありがとねぇコノヤローウッ!!」
はぁ……はぁ…………だ、だめ……笑いすぎてお腹痛……くふふふふふっ…………♪
春香「伊織は黙ってて!!」
美希「はぁ、癒されたぁ……♪やっぱり春香の肉はすごいのっ!ミキ、そんけーしちゃうな!」
アイツ、『絶対ダイエットしてやるぅ……!』って泣きながら帰ってったわよ?どうせすぐにお菓子の誘惑に負けちゃうと思うけどねー。
美希「春香、別に太ってないしダイエットしなくてよくない?肉がすごいだけで、スタイルは良い方だって思うな。」
それ、さっき言ってあげたらよかったんじゃない?ま、面白かったからいいけど……さ、気を取り直して次のメッセージを読み上げるわ!
【美希、お誕生日おめでとう!
美希にバナナをやろう。ただのバナナじゃないぜ?
バナナ通で有名な知り合いのチンパンジーがお薦めしてくれた特別なバナナなんだ
そのまま食べてもいいし、スイーツとかにアレンジしても美味いそうだ】
美希「ふーん……ぱくっ…………んんっ!確かにコレ、すっごく甘くて美味しいのっ!舌の上でバナナの風味がシャッキリポンって踊るカンジ!」
……知り合いのチンパンジー、にはツッコまないわよ?私のツッコミはそんな安っぽくないんだから!
美希「ほらほら、でこちゃんもでこちゃんも!あ~~~んっ♪」
うぇっ!?え、えと…………あ~ん……ぱくっ……あ、本当だ……これ美味しっ…………♪
美希「あー、美味しかった♪残りのバナナは、後で春香にスイーツにしてもらおーっと。」
にひひっ♪良い考えね!こんなに美味しいバナナを分けてあげたら、アイツもわっほわっほ言いながら機嫌を直すに違いないわ。
美希「うんっ!それじゃ甘いもので回復したところで、次のメッセージいってみよー!」
【美希への誕生日プレゼントに伊織が学校で バケツを持ちながら廊下に立たされてる写真をあげる。
授業中に居眠りしたあげく“○ンポ!”とか言って飛び起きたんだとさ】
なっ……!ちょ、ちょっと!なんでアンタがそのことを…………きーーーっ!あのバカ教師!情報漏洩の罪で懲戒解雇に追い込んでやるんだからぁ!!
美希「へぇ、でこちゃん……寝言でそんなこと言っちゃったんだぁ…………んふふ、毎日頑張ってるもんねー♪」
むぅ……し、仕方ないでしょ!?毎日毎日、汗をダラダラかいてヘトヘトになるぐらいシゴかれてるんだもの!そりゃ夢にも出てくるわよ!
……テンポって!あの新曲、ちょっと譜割りが難しすぎ!しかもアレにダンスを合わせるなんて、ほんと狂気の沙汰だわ!!
美希「んー、確かに難しかったよねー。ミキも覚えるのにちょっと時間かかっちゃったの。まぁ、今はもうバッチリだけど!ねぇねぇ。もしよかったら、今度ミキが教えてあげよっか?」
結構よ!アンタに教えてもらうなんて、私のプライドが許さないわ。最終的には私の方が完成度高めに仕上げてみせるんだから、せいぜい今のうちに余裕かましておくことね!ふんっ!
美希「さーて……でこちゃんのちょっぴり可愛い一面も見られたところで、
次のメッセージ!」
プロデューサー!さっきの写真、しっかりシュレッダーにかけて裁断しておきなさいよ!?この世に一欠片も残さないぐらい細かくねっ!!