春香「……………………」ムスッ
は、春香……いい加減機嫌直しなさいってば…………アイドルがしたらいけない顔になってるわよ?
春香「……同じことをされてこの顔にならないアイドルだけが、今の私を叱れる権利があるんだもん。だから伊織には絶対にないもん。」
うっ……そりゃあんなことされたらブチギレだけど…………
春香「……変だね。楽しかったのに……楽しかったはず、なのに…………私の、私の夢はどこ?掴み掛けた夢が、零れ落ちてゆく。さらさらと……音を立てて…………」
セルフオマージュができるあたり、実はまだ割と余裕なんじゃないかって勘繰っちゃうのよね。うん。
春香「時は過ぎて行く。私一人を、置き去りにして……どうしたらいいの?私は、一体どうしたら……分からない。私には……分からない…………!」
ほらほらー、あんまりネタバレするもんじゃないわよー?アニマス振り返り企画、まだ半分ぐらいなんだから。
春香「……もう二週分ぐらい収録押してるんだから、今さら先の台詞言ったって変わらないもん。私、悪くないもん。」
あ、こらっ!そういうこと言うんじゃないわよ。まるで伊織ちゃんがサボってるみたいに聞こえるじゃない!
春香「ふーんだ。今の私は切れたナイフだよ?触るものはみーんな傷つけちゃうんだから。」
残念ながら、もうそのフレーズ自体がバラエティーのそれなのよね。
春香「……そりゃバラエティーも好きだよ?でも今日は違うというか…………楽しみに、してたんだけどな。」
……それじゃ、次のメッセージを読み上げるわね。
春香「はいはーい。次はクワガタですかー?テントウムシですかー?春香さん、プロなんでばっちりリアクション取っちゃいますよー。わっほーい。」
【春香、これ……春香にもらったお財布の色違いなんだ。春香にもらったお財布見ると元気が出るから、恩返しになるといいな。】
春香「…………え?」
ほら、なにボサッとしてんのよ。プレゼントを貰っておいて、何も言わないはないんじゃないの?
春香「え、あの、これ……わ、私にですか?本当に……私にくれるんですか…………?」
当たり前でしょ。アンタへの誕生日プレゼントなんだから……いつも元気をくれてる恩返しだってさ。
春香「そ、そんな!むしろ恩返ししなくちゃいけないのは私の方なのに……プロデューサーさん…………プロデューサーさん……っ!!」
ギューッ
春香「あ、ありが……とっ……ありがとう……ございます…………っ!わたっ、私……このお財布…………ずっ、ずっと!ずっと大事に……うぅ…………うぅぅ…………!」ポロポロポロ
……ま、今だけは見逃してやるわよ。ふんっ。