……お言葉を返すようで申し訳ありませんが、今さらそれは無理かと。
なぜなら、デビューしたあの日から今日に至るまで……私はプロデューサーに守られっぱなしですから。
私はこの性格なので、今まで周りにたくさんの迷惑をかけてきました。事務所の皆には……特に迷惑を。
でも、周囲と軋轢を生んでしまったときも、ファンから『態度が悪すぎる』とお叱りを受けたときも、私が歌のためにゴネてしまい収録現場の方々を困らせたときも……悪質なマスコミに、酷い記事を書かれてしまったときも…………プロデューサーは必死になって、私を守ってくれたじゃないですか。
もしプロデューサーがいなかったら、私なんてとっくの昔に引退しています。身勝手な振る舞いばかりする実力不足の女なんて、この芸能界に居場所があるわけない。その居場所を作ってくれたのが、他ならぬ事務所の皆……そしてプロデューサーなんですから。
……プロデューサーがいてくれたから、守ってくれたから、私は今日ここに立っていられるんです。
だから、守りたいなんてあまりに今さらすぎて……ふふっ……ふふふふふっ…………♪
……これからも、水瀬さんのついでで構いませんから……私のこと、どうか守ってくださいね?
私にとってもプロデューサーは……たったひとりの頼れる騎士なんです。ふふっ……♪
守りたい【如月千早】