【9日過ぎても大丈夫なら、まだ良いか。
馬とスロットとパチで稼いでくるから待ってて。盛大に祝うんだ】



……これはアレね。私がメッセージ受付期限の9日を過ぎても受け付けてあげるって言ったから、それでこういうメッセージになったわけね。

はぁ……なーんかギャンブルで増やしたお金でプレゼントっていうのも複雑だけど、さっきまでの変態メッセージに比べたらマシに思えてきちゃうわ。盛大に祝ってくれようっていう気持ちがあるだけにね。

……っていうか、ちゃんと増やせたのかしら。最近競馬のゲームが流行ってるのは知ってるけど、ほどほどにしておきなさいよ?



さ、次にいきましょっと。



【お誕生日おめでとう。はい誕生日プレゼントの100万円ね。 っ[札束]】



いや、さっきとギャップありすぎでしょ。庶民の間でここまで貧富の差が広がってるんだなって感じちゃって、なんだか切なーい。

……って、これよく見たら100円ショップとかで売ってるジョークグッズじゃない。実はメモ帳っていうアレよ。アレ。

ま、いくら私が超がつくほどのセレブとは言っても、100万円が大金であることに変わりないもの。仮に本物だとしたら、ありがとって気軽に受け取れないし…………当然と言えば当然よね。こんなの、やよいだったら卒倒もんよ?

そういえば……さっきの下着、本当にやよいのものだったのかしら…………い、いや!ないないっ!きっとキモデューサーのつまんなくて滑りまくりのジョークよねっ!!



じゃ、次のメッセージにいこうかしら…………



【伊織、誕生日おめでとう!今日はツッコミ休んでいいぞ。代わりに雪歩にツッコミしてもらうから。】



……自分で言うのもなんだけど、今日の仕切りが雪歩だったら大変だったわよ?もうそこら中穴だらけだし、最悪気絶してたかもしれないわ。

っていうか、雪歩がツッコミねぇ…………アイツ自身も大概ボケボケだし、気が弱いからあんまり人に強く言えないし……え、向いてなくない?ツッコミ。

ま、やる前から否定するのも何だから、今度お試しでやってみようかしら。私が一日ツッコミをお休みして、あとは雪歩にぜ~んぶ任せるの。

諸々の責任とかも、ぜ~~~んぶ雪歩にぽーいっ!伊織ちゃんはの~んびり雪歩が苦労してるところを見守って…………やだ、それってめちゃめちゃ楽そうね。本気で考えてみようかしら。



……いや、やっぱり最初ぐらいは私も横にいてあげないとマズいわね。もし過労やストレスで倒れられちゃったら、少しだけ責任感じちゃうし。765プロは素人ツッコミじゃ到底捌き切れないし。

とりあえず研修期間を設けて、マニュアルも用意して……むむむ、なんか面倒くさくなってきたわね。やっぱりやーめたっ!伊織ちゃん、面倒くさいのきらーい。



さ、次次っと。



【誕生日プレゼントにビリー・ヘリントンのハロウィンverのfigmaをあげる】



……んふっ。こ、これさっきも見たんだけど…………もう完全に悪ふざけ……んふふっ。

なんかアレよね。疲れてる時に、こういうくだらないもん見ると変にツボに入るというか…………ふふっ。

だ、ダメね……これは一旦私から見えないところに避難させておきましょう。んで、後で真のくまちゃんの横にでも置いとくことにするわ。その時の真のリアクション……んふっ。



はぁ……なんかプレゼントのハードルが下がりまくってるのを感じるけど…………ま、元々こんなショボショボ五流プロデューサーに期待したのが間違いだったのよね。最初のリボンとかタオルが奇跡だっただけで。



えーと、次のメッセージはっと…………



【伊織、スペさんからプレゼント預かってるんだ……(スペさんの尻尾)】



……………………



ビチビチビチビチッ



……これって火を通しても美味しいのかしら。旨味が活性化されそうだし、ちょっとやってみることにするわ。

は?リアクションが薄いって……当たり前じゃない。普段だったらビックリするけど、ぶっちゃけ今日のプレゼントの中では上位クラスの嬉しさだもの。実は美味しいってだけで、さっきまでのお下劣プレゼントとは雲泥の差だわ。

スペさん、ありがとうございま~す♪今度無人島に行った時は、是非お宿にお邪魔させてねー?



……さ、次々。



【伊織の誕生日プレゼントに22世紀の猫型ロボットをあげる
ひみつ道具もたくさん持ってるよ】



いや、いったいどんなツテを持ってるのよ。確かに水瀬家には美味しいお餅もどら焼きもあるけど、そんなホイホイと同居できるわけないでしょ。

ま、いおとかは喜びそうだけどね。お友達が増えるわけだし……私もグルメテーブルかけとか使ってみたいもの。あとはどこでもドアとかね。仕事の合間に気軽に旅行できるなんて最高じゃない?



……なーんてね。ほら、さっさと元の場所に返してあげなさい。私は自分一人の力でちゃんとやっていけるけど、この子の同居人の眼鏡はウチの下僕並みにショボショボだもの。この子が急にいなくなったら困るでしょ。

あ、ちゃーんとお土産のどら焼きを持たせてあげるのよ?いっぱい迷惑かけたんだから。じゃあね。猫型ロボットさん?ばいば~い。



さて、次は……ふんっ!!



ベチャァ



……ばーか。甘いのよ。気を抜いてる時ならともなく、今は何のメッセージがきても対応できるように気を張ってるんだもの。こんなもん食らうわけないじゃない。



【顔面にお祝いパイをぶつける】



ま、ぶつけようとしたところで、四条流で軌道を変えてやったわけだけど……どう?自分で用意したパイは美味しいかしらー?



……ほんとはね?食らってあげてもよかったのよ。誕生日パーティーで盛り上がって、その中でパイに当たって、なにすんのよーって笑って…………それはそれで楽しそうじゃない。

でも、こんなテンションじゃそんな気持ちにもならないわ。

はぁ……別に期待してなかったと言えばしてなかったけど…………



ま、いいわ。次にいくわよー?
伊織誕生日伊織ちゃんメモ♪【03】