はぁ……もうすっかり夜ね。長距離移動に、ライブに、村の散策に、そしてまた長距離移動に…………なーんか本当ドタバタな一日だったわ。
ま、その代わりに収穫は多かったけど。可愛いファンも見つかったし、いおへのお土産もいっぱいゲットしたし……私だけの宝物も手に入れたしね。
さて、それじゃ簡単にミーティングだけして解散しましょうか。私、新堂に迎えを頼んで……え、なに?少し待ってろって…………ちょっと、いったい何が…………えっ。
ど、どうしたのよ!この花束!?えっ、これ……えっ?……き、昨日の夜から事務所に隠してたって…………ば、ばかっ!なに似合わないキザなことしてんのよ!その……あの…………う、嬉しすぎて言葉にならないじゃない!!ばかぁ!!
……すごい。ほんとに綺麗…………これ、私のためにわざわざ選んでくれたんでしょ?すっごく良い匂いするし、色合いも私の好みで…………ねぇ、プロデューサー。ちょっとそこのソファーに座ってちょうだい?
うん、それでいいわ。それじゃ失礼して……ごめんあそばせ?
ポスンッ

じゃ、早速ミーティングを始めましょうか……なによ。今日は丸々一日働いたから疲れちゃったのよ。固い椅子に座って反省会なんて、そんな体力は少しも残ってないわ。
だから、今日はこのままやるの!私がそう決めたんだから、黙って従いなさ~~~いっ!!
あとプレゼントの指輪だけど……もう事務所だからいいわよね。えーと、どの指につけよっかなぁ…………うん、やっぱりここよね♪ほらほら、似合ってるでしょー?
ふふっ……私、今すっごく幸せ。私だけの宝石に、私だけの花束。それに……私だけのプロデューサー。私だけのものでいっぱい…………♪
……いや、わかってるわよ。でも、今この時間だけは私だけのプロデューサーで合ってるでしょ?ったく、そういう変に細かいところがあるからアンタはモテないのよ。もっと乙女心を勉強しなさいよね?
そうよ。今この時間だけ…………今だけは、いいわよ……ね?ん?何も言ってないわよ?ほら、そんなことより、ちゃっちゃとミーティングを始めなさいな。そうねぇ……今日は色々あったし、少なくとも一時間ぐらいはかかるかもしれないわね。
はぁ、ほんとめんどくさいわぁ…………ふふっ♪
【伊織はそうボヤくと、リラックスするように俺の肩に身を預けてきた。口では憎まれ口を叩いていたけど、その表情はずっとニコニコ緩みっぱなしだ。】
【サプライズも大成功。どうやら俺のバレンタインデーのお返しは、ワガママ女王様のお気に召したようだな。今日はお疲れさま。伊織!】
パーフェクトコミュニケーション