羨ましいって……誰が誰を羨ましがるのよ。ここには私とアンタとお婆ちゃんしかいないんだけど?
……は、はぁ!?私がこれで遊ぶ小さい女の子たちをって…………ばっかじゃないの?アンタ、私のことをいくつだと思ってるのよ。私、もうすぐ高校生なのよ?
まぁ、確かに昔は羨ましかったような気もするわ。だって周りの娘たち、皆こういうので遊んでたんだもの。イミテーションのティアラ、指輪、ネックレス…………お姫様ごっこで、王子様役も女の子同士でかわりばんこにやったりして…………
つまり皆、自分の宝石を持ってたのよ。大切な宝物としていつも持ち歩いてて、私はいつもそれを借りるだけだったわ。
そりゃ家に帰れば、ダイヤモンドやルビーのひとつふたつ珍しくなんかないけど……それを幼稚園には持っていけないでしょ?っていうか、実際に持っていこうとして、新堂から何度も止められたしね。
それに……その宝石は結局お父様のものなのよ。私はそれを借りるだけで、私だけの宝石なんかひとつもなかったの。
だから、自分だけの宝石を持ってる周りの娘たちがちょっぴりだけ羨ましかった…………うん、羨ましかったのよ。
はぁ、なーんか昔のことを思い出したら、変な記憶まで甦ってきちゃった。あー、やだやだ。我ながらつまんない話をしちゃったわ。
【……すみません。この宝石、買わせてください。】