うん……ほんとにごめんね?こんなことなら、最初から素直にあげればよかったわ。私って、ほんとバカなんだから…………



……あ、あのね?突然なんだけど、家に忘れ物をしちゃったのを思い出して……今から新堂に連絡して迎えに来てもらうから、アンタは皆にチョコを配っておいてちょうだい。

あ、あぁ!それと……そこの変なのは適当に捨てといて?こんな割れたチョコレート……誰も欲しくなんかないもんね…………



そ、それじゃ!頼んだわよ!?私……もう外で待ってるから…………よろしくねっ!!

【そう言い残して、逃げるように伊織は立ち去った。明らかに震えていた声……よっぽど悔しかったんだろう。この割れたチョコレートも、感謝して食べなくちゃな。】

ノーマルコミュニケーション
バレンタイン202105