……おつかれ。って、なーに抜け殻みたいな顔してんのよ。さっきまであんなに畏まってたくせに、もうふにゃふにゃのへにゃへにゃじゃないの。なっさけないわねー。
でもほら、やっぱり私の言ったとおりでしょ?こういうのは頭でごにょごにょ考えるよりも、勢いに任せた方が意外と上手くいくのよ。
まぁ、いきなり出だしで噛んだときには目眩がしたけど……全体的にはよかったんじゃない?
特に、ほら……な、なんだっけ?
ほら、お父様が『キミは水瀬の長女の一生を背負う覚悟があるのか』って聞いたところ…………アンタ、ほら……なんて答えたんだっけ…………?
……ん、そうね。『俺は水瀬の長女じゃなくて、伊織と一生を過ごします。俺だけが背負うんじゃなくて、二人で一緒に歩み続けます。』って…………そう、言ってくれたわよね。
あれ、よかったわ。お父様の圧にも負けないで、そういう風に言い切ったアンタ……珍しく男らしかったし…………ま、まぁ!?あれぐらいの啖呵、私のパートナーとしては当然よね!うんっ!
んで、それが決め手なのかは知らないけど、最後はお父様もお母様も交際を認めてくれたし…………特にお父……パパがあんな風に頭を下げてくるとは思わなかったわ。娘をよろしくお願いします、なーんて……ふふっ…………♪
あーあ、最初はどうなることかと思ったけど、これでアンタも正式に認められたわけね。この伊織ちゃんのパートナーとして……彼氏として……こ、婚約者として…………
だ、だってそうでしょ!?まさか私も、ここまで話が進むと思ってなくて…………一生背負うとか、娘をよろしくとか……ど、どう考えたってそういう意味でしょ!?パパもママも、あれ絶対にそう思ってたでしょ!!?
……べ、別に嫌なんて言ってないじゃない!むしろ……その…………う、嬉しい!嬉しいけどっ!でも、こう……わ、わかるでしょ!?感情が昂りすぎて、なんかもうわけわかんないのよっ!!きーーーーっ!!
そ、そもそもっ!目的は果たしたんだから、今日はもう解散でいいじゃない!パパもママも、少しここで待ってろなんて……いったいなんのつもり!?
ねぇ、プロデューサー!これ、なんのつもりなのかしら!?ねぇったら!!教えなさいよっ!!
【そんなの俺が聞きたいぐらいだよ……あ、お疲れさまです。】