美希「もうアイドルなんかに興味ないし、歌もダンスもしたくないし……さっき皆の前でパフォーマンスしてた時だって、全然楽しくなんかなかったよ!って…………嘘じゃないもん。この時は本気でそう思ったんだもん。」
はぁ……面倒くさいヤツね。女心は複雑って言うけど、アンタのは複雑すぎて自分でも理解できてない気がするわ。
美希「そーいうのは感覚で理解するものだって思うな!考えるな、感じろ!なの!」
適当なヤツねぇ……って、プロデューサー。怒るかと思ったら謝るって…………ま、コイツはコイツで責任感じてたんでしょうね。実際悪いし。
美希「……正直絶対怒られるって思ってたから、ちょっと拍子抜けしちゃったの。でも、これぐらいじゃミキの傷ついた心は元通りにならないよ!だからさっきナンパしてきた男の人みたいに、適当に流して帰ろうと思ったの。それなのに…………」

ぷっ……なんかデート中に不機嫌になった彼女と、なんとかご機嫌取りを頑張る彼氏って感じね。ちょっと笑える光景だわ。
美希「ミキはちっとも面白くないもん!後ろからずっとくっついて離れないで……これってストーカーじゃない?へんたいたーれんってやつなの!」
はいはい、平仮名発音はダサいからやめときなさい?でもアンタ、段々プロデューサーにノせられてきてるじゃない。さっきはああ言ったけど……アンタの乙女心、複雑なようで実は単純なのかしら。
美希「そ、そんなこと……ない…………と……思う……な…………」
なによ、やっぱり自分でもわかんないんじゃない。
美希「むむむ……み、ミキは自分のアンテナに従ってるだけ!面白いなって思ったこととか、いい感じだなって思ったことにビビビッて反応してるだけなの!こーいうのは理屈じゃないの!」
あぁっ!もう、なのなのうっさい!ほら、事務所ではまたアンタのせいでミーティングやってるわよ?また千早がまとめてくれて……って、今回は本当千早が積極的に動いてるわね。
美希「うぅ……ミキ、もう千早さんの前ではお昼寝できないの…………これからは千早さんがお仕事やレッスンしてる時にお昼寝しよっと。」
いや、昼寝の時間は削らないわけ?……まぁいいわ。
とりあえず次に進みましょうよ。