へぇ、アンタもなかなかやるじゃない。パフォーマンスで観客を沸かすなんて、さすがに腐ってもアイドルってところね。
美希「ぷらぷら~って街を歩いてたら、たまたま声を掛けられただけなの。アイドルみたいに可愛いって言われたからアイドルだよって答えて……そしたら一曲披露することになってねー。」
んで、どうだったのよ。アイドル様の感想は。
美希「最初は楽しかったよ?ミキの歌やダンスで皆が喜んでくれて、なんだか嬉しかったの。でも、段々心の穴がぽっかり広がってきちゃって。今のミキ、ぜーんぜんキラキラしてないなって。それでダンスをやめちゃったら……ちょうどタイミング悪くプロデューサーが来たの。」
あら、タイミングばっちりじゃない。律子に発破かけられてきたから、気合も十分だし……って、なんでアンタ逃げ出してんのよ!
美希「だ、だって!ミキもうアイドル辞めるつもりだったし……怒られるってわかってるのにお話するのヤだもん。でこちゃんだって、ミキの気持ちわかってくれるでしょ?」

……確かに私も怒られるのは一番嫌いだし、それでお仕事をボイコットしようとした時もあったわ。でもね、それってやっぱりダメよ。特にプロデューサー相手なら、まっすぐぶつかってやらなくちゃ。
美希「ぶぅ……でこちゃん、なーんか大人になっちゃったの。あーあ、つまんないな!つーん!」
なーにふてくされてんのよ。それに、今のアンタならわかるでしょ?この時の自分が間違ってたってことぐらい。
美希「……そんなのわかってるよ。でも、ミキしかこの時のミキの味方をしてあげられる人はいないの。だから、ミキぐらいは応援してあげなきゃ!頑張れー、ミキ!プロデューサーなんて振りきっちゃうのー!」
はぁ……ゆるゆるな生き方してるくせに、変なところだけ頑固なんだから。ま、結局振りきれずに捕まっちゃうんだけどね。
美希「プロデューサー、ミキのこと説得しようと必死だったの。あんなに真剣に説得されたの、ミキ初めてで……頭の中ぐちゃぐちゃだったし、カーッとなっちゃったから…………つい、言っちゃったんだ。」
……次のシーンね。