結局あの日以来、美希はレッスンに来なくなっちゃったのよ。しかも無断欠勤だから詳細もわからず、たった1通だけ『うそつき』ってメールが届いただけ…………これじゃ皆が心配して当然よね。
それでも律子が美希の異変を伝えると、プロデューサーもようやく自分のミスに気がついたわけ。頑張れば竜宮小町に加入できるって勘違いを、軽率に肯定してしまったことにね。ったく、気づくの遅すぎよ!ほんと鈍感なんだから…………
ほら、美希。当時のアンタの蛮行が映されてるんだから、なんか一言二言あってもいいんじゃないの?……ねぇ、ちょっと聞いてる?
美希「むにゃ……いちごババロア入りのおにぎりは流石に食べられな…………むぅ……案外イケるかも…………むにゃむにゃ…………」zzz
お、起きろっ!このばかっ!!
パシーンッ
美希「はっ!?お、おにぎりは!?ミキのいちごババロア入りおにぎりはどこ!?」キョロキョロ
そんなゲテモノあるわけないでしょ!?なに収録中に寝てるのよ!ばっかじゃないの!?
美希「だ、だってでこちゃんが二回もスタートコールをさせるから……今日のミキはゲストだし、MCはでこちゃんにお任せしちゃおっかなって。ミキは横でがんばれ~って応援する係なの。夢の中で!」
きーーーっ!だったらアンタみたいな穀潰し、最初からここに呼んでないのよ!おしゃべりしながら当時を振り返る企画だって、その根本的な趣旨から説明しなきゃわかんないわけ!?
美希「んんっ……でこちゃんがうるさいの…………そんなに騒がれると……ミキ、ますます目が重くなってきて……あふぅ…………おやすみなさいなの~。」
こ、こらっ!寝るな!起きなさい!えっと……ほ、ほら!アンタのせいで千早がちょっとキレ気味よ!?
美希「……え、マジで?」ガバッ
マジもマジ、大マジよ。ほら、見てみなさいな。この真顔の千早を。これって無断でレッスンをサボってるアンタにムカついてるからなんじゃないの?
美希「あわわ……ほ、ほんとだ…………千早さん、超超超怒ってるの…………!」
ま、千早にとって今回の全員ライブは、ようやく自分の歌を皆に披露できる絶好のチャンスなんだもの。それを一人のワガママで潰されかけたら、そりゃこんな風にもなるわよね。
美希「ち、千早さん!ごめんなさいなの!ミキ、千早さんに迷惑をかけるつもりは…………み、ミキ!あっちのミキ!早くレッスン場に戻るの!ふらふら歩いてる場合じゃないよっ!」ワタワタ
やれやれ……やっと目が覚めたようね。あと少し起きるのが遅かったら、ドブ川で顔を洗わせるところだったわ。
美希「で、でこちゃん。なにボサボサしてるの!?早く次のシーンにいくよ!?」
はいはい。えーと、
レッスンをサボった美希がどこにいたかと言うと…………