ライブに向けたレッスンと、学校の試験勉強を平行させる皆だけど……その中でも毎日遠距離通勤してる春香がしんどそう…………って、ばかっ!なにコケてんのよ!これ、普段のおふざけじゃなくてガチの転び方じゃない!?
律子「左足首の捻挫かぁ……ただでさえレッスンが遅れてるのに、これは痛いわね。やよいと雪歩も相変わらず苦戦してるし…………え、ちょっと!雪歩!?今さらライブに出るのを辞退したいなんて…………」
私たちが別行動してる間に、こんな大変なことになってたのね…………でも、こんなの雪歩の甘えよ。皆に迷惑かけたくないって……だったらこの時間、皆のレッスンを止めてるのは誰?この段階でフォーメーションを崩したら、また最初からやり直しなのよ?
そもそもねぇ、自分が惨めになって逃げ出すことを、さも皆のためみたいに言うのが気に入らないわ。そんなの卑怯だし、ルール違反よ。
……ちっ。ほんと甘ちゃんばっかりなんだから。もし私が現場にいたら、こんな甘ったれた意見なんかガツンと一発…………あぁ、そういえばコイツがいたわね。

律子「こういう時の貴音、ほんと頼もしいわよね。春香が皆の心を盛り上げる花だとしたら、さしずめ貴音はどんな時でも揺るがない大木ってところかしら。」
ふんっ。あずさがいないこの現場では最年長だもの。こういう時ぐらいバシッと決めて当然だわ。
律子「技術以前に覚悟が足りない、か。これは雪歩も痛いところを突かれたわね。さっき辞退を申し出たのも、きっと苦しい現実から逃げ出したくなってつい……って感じだろうし。」
ったく、年長組のくせに本当情けないわよね。誰も雪歩のことを足手まといなんて思ってないし、いざっていう時のコイツの芯の強さや根性は皆知ってるわ。
それなのに……こんな簡単に投げ出そうとするなんて最低よ。皆でライブを大成功させて、765プロには竜宮小町以外にも魅力的なアイドルがたくさんいるんだって…………世間にそう思わせてやらなきゃダメじゃない。
私達、皆まとめてトップアイドルになるんだから。
律子「伊織……でもほら、貴音の叱咤のおかげで、ようやく雪歩の決心も固まったみたいよ?幸い春香の捻挫も大したことないみたいだし…………とりあえず一件落着ってところかしら。」
ま、相変わらず状況は苦しいままだけどね。
さ、次のシーンに行きましょうか。