ほら、律子……そろそろ次のシーンだから…………

律子「はっ！？え、えぇ。任せてちょうだい！えーと、新曲のデモ音源を聴いた皆はテンションマックス！あの千早ですら目を輝かせてたわね。」

うんうん。やっぱりアイドルとして、初めて曲を聴いた時はどうしてもウキウキしちゃうもの♪……レッスンの時までは、ね。

律子「雪歩とやよい、キツそうね……特に雪歩は息切れも激しくて、体力的に厳しそうな印象だわ。」

やよいも足下ばっかり気にして、全然周りが見えてないわ。一生懸命なのはこの娘の良いところなんだけど……今回ばかりは裏目に出てるって感じかしら。

律子「逆にダンスが得意な響や真、美希は走り気味ね。この三人にとっては、皆のペースに合わせる方が逆に難しいんだろうけど…………」

ダンスの得意な娘、不得意な娘……これだから全体曲は難しいのよ。なかなか全員に合わせたレッスンっていうのも出来ないから、今回みたいな事態に陥りやすいものね。

律子「うーん、何となく空気も重くなってきてたわ。これじゃどうしたって……あ、春香…………ふふっ、流石は春香ね。ほら見てよ。持ち前の明るさで皆を励まして、一気にレッスン場が活気に溢れてきたわ。」

……コイツのこういうところ、素直に凄いなって思うわ。なんていうか、良い意味でも悪い意味でも空気を読まないのよね。

もちろん、それが悪い方に出る時もあるけど……だからこそ春香は、私たちのリーダーなんだって思わないでもないというか…………

律子「えぇ、ほんとそうね。それで雪歩には真と貴音が、やよいには響と真美がついて教えることになったみたい。うん、二人の目にも光が戻ってきたわね！」

そして春香には美希と千早が…………って、は、春香！？え、なに。あんなに人のことを励ましといて、コイツって遅れてるグループなの！？





律子「あはっ……あははははっ♪やっぱり春香って、最高に良いキャラしてるわ！あははははっ♪」

ふ、ふざけんじゃないわよっ！やっぱり前言撤回！こんな頼りないヤツより、私の方がよっぽどリーダーに相応しいわっ！！

律子「はいはい。そんなに怒らないの！ほら、次のシーンにいくわよ？」