はぁ……こういう汗臭い展開、セレブでプリティーな伊織ちゃんには全然似合わないけど…………皆が、やよいが繋いでくれたバトンを無駄にするわけにいかないもの。もう必死だったわよ。
真「この時の伊織、めちゃくちゃカッコよかったよ!一人でも抜いてやるんだって決意が伝わってきたというか、実際一人抜いてくれたしね!」
ま、たった一人だけどね。まだ無茶なロケで鍛えられる前だったし、この時の私じゃ一人抜くのが限界だったってわけ。
ほら、主役はアンカーに譲ってやるわ。残り全員、あのムカつくひかりとかいう女もろとも抜き去りなさ~~~いっ!!

真「皆の熱い思い……これに応えなきゃ乙女じゃないよね!もうこの時は前しか見てなかったなぁ……うん、我ながら結構良い走りが出来てるんじゃないかな。」
いやいや、めちゃくちゃ速いでしょ。ほんと二位まではあっという間で……ちっ!コイツも生意気に速いわね。
真「言い訳になるから言いたくないけど、この辺りで右膝がもう限界でさ……普段なら抜けそうなタイミングでも力が入らなくて…………正直ね?めちゃくちゃ悔しかったけど、一瞬諦めそうになっちゃったんだ。」
そんなこと、こっちだってわかってたわよ。皆も真が本調子じゃないことは知ってたし、このままじゃ厳しいって……
でも、一人だけ諦めてない娘がいたのよね。
それは……次のシーンで。