ったく、アンタのマイペースは不治の病ね。いい加減慣れてきたと思ってたけど、やっぱり振り回されちゃうわ。
あずさ「ご、ごめんなさいね?ここからは私、しっかり司会を務めてみせるわ!」フンスッ
ほんと頼むわよ?それじゃ、このシーンから解説してちょうだい!
あずさ「え~と……あ、そうそう。せっかくウェディングドレスを着たから、友美に自慢しようと思ってメールを……あ、友美っていうのは私の卒業した短大の同期でね?卒業後も仲良くしてて、たまにご飯とか一緒に……うふふっ!そうそう、友美ったらこの間会った時に…………」
す、ストップストップ!友美さんの話はあとで聞くから、今はシーンの解説をしてちょうだい!このままじゃいつまで経っても収録が終わんないわよ!?
あずさ「あ、あらあら~。私ったらまた……え、えっとね?それで友美に自慢のメールをしたら、すぐに電話が掛かってきたの。それで他愛もないおしゃべりをしてたら……知らないうちに会場の外に出てたのよ~。もうびっくりしちゃったわぁ。」
はぁ……アンタってこうやっていつも迷子になるのね。なんだかメカニズムがわかってきたわ。
あずさ「そ、そうかしら……あ、それでね?少しボーッとしてたら、向こうからウェディングドレスを着た女性が走ってきて、ぶつかった時に落とし物をしたのよ。なにかしら~って思って拾ったら、いきなり黒服を着た男の人たちが詰め寄ってきて…………」

は、はぁっ!?ちょ……これって誘拐じゃない!なによっ!この怪しい黒服どもはっ!!
あずさ「さっきの花嫁さん、どこかのお金持ちの男性からプロポーズをされたらしいんだけど……それが嫌で逃げ出したみたいなの。この人たちはその男性のSPさんで…………」
それでアンタとその女を勘違いしたってわけね……なによそれっ!いざこざを起こすのは勝手だけど、こっちを巻き込んでくるなんてとんだ迷惑だわ。そんなの二人で解決させなさいよね!
あずさ「それで車に乗せられたんだけど、途中で人違いだって気がついたらしいの。そして……
あ、次のシーンに進みますね?」