私が兄さん達と喧嘩した時に、よく小さく縮こまりながら隠れてた場所……それはいつだって物置だったの。暗くて狭い空間が、心細い自分の心境と重なってね。んで、見事ビンゴってわけ。
やよい「……やっぱり伊織ちゃんは凄いなぁ。私、長介のお姉ちゃんなのに慌てるだけでちっとも役に立たなくて…………響さんやプロデューサーにもたくさん迷惑かけちゃった。」
ばーか。誰も迷惑なんて少しも思ってないわよ。ま、強いて言うなら弟妹連合の勝利ってやつね!お姉ちゃんにはわからなかったでしょ♪
……で、ちょっと長介と話をしたのよ。私にも出来の良い兄さん達がいること、いつも比べられてムカついてたこと。そしたら長介のヤツ、私と自分が似てるって言ってきたの。
やよい「そ、そんな!私なんか全然……長女だからちょっと色々やってるだけで、今回みたいに失敗することも多いし…………」
それでも、アイツからすれば憧れの存在なんでしょ。でもね、私はあのいけすかない兄さん達に自分自身を認めさせるために、いつだって行動してきたわ。
それをお姉ちゃんとまともに向き合わずに、こそこそ逃げ回るようなショボショボ男子と一緒?はんっ!冗談じゃないわ。
やよい「伊織ちゃん…………」

私と一緒だって言うなら、ちゃんとお姉ちゃんと……やよいと向き合うこと。それが出来たら、私と同じ立場に立つことを許してあげようかなって。
長介のヤツ、アンタを応援したいからって理由で、あんなに頑張ってたんだもの。いつだって笑顔で、自分が大変です苦労してますなんて、絶対に顔に出したりしない……そんなやよいの弟なんだから、ちょっと勇気を出せばきっとなれるって思ったのよ。自分の力で、お姉ちゃんを助けられるカッコいい男にね。
だってそうでしょ?二人とも、胸張って前を向くプライドを持った……強い姉弟なんだもの。
やよい「い、伊織ちゃん…………っ!うっ……うぅぅ…………っ!!」
ふふっ……今日のやよいは泣き虫ねぇ…………いいのよ。たまにはお姉ちゃんが泣き虫な日があったって……
えっと、次が最後かしら。