ふっふっふ……竜宮小町が社運を賭けたユニットとまで言われる、その理由…………それはね、この時点であの人気番組『アミューズメントミュージック』への出演が決まってたからよ!
まだまだ駆け出しの私たちだけど、社長の人脈と律子の営業努力が実を結んで何とか一枠ねじ込めたらしくてね。それに合わせて結成されたのが、私たち竜宮小町ってわけ。
春香「グスッ……こ、この時の私たちじゃ…………ぜ、絶対声がかからないような規模の番組……だもんね…………っ!律子さんが張り切るのも当たり前…………ずぴーっ!!」チーン
あぁっ!もういい加減に泣き止みなさいよ!ほら、アンタの出番よ。自分の見せ場ぐらい、バシッと解説してみせなさい!
春香「う、うんっ!えと……律子さん達が盛り上がってる一方で、なんだかプロデューサーさんは焦ってるように見えて…………竜宮小町に負けないように、って気持ちは凄く感じたんだけど……そ、その…………」
はぁ……要は空回りしてたってことね。ったく、確かに律子は年下かもしれないけど、プロデューサーとしては先輩なのよ?ちょっと上をいかれたからって……舐めてんじゃないっての。
春香「べ、別に舐めてるとかそういうことじゃ……だから私、キャラメルをあげたんだ。甘いものを食べてリフレッシュしてくださいねって!」
へぇ、優しいじゃない。どれどれ、これがそのシーンね。

……なにこれ、コンソメ?
春香「そんなわけないでしょ!?どこからどう見てもキャラメルに決まってるじゃん!!」
じょ、冗談よ冗談……これがコンソメだったら健気なヒロインから一転、空回りするプロデューサーをウザく思ってる腹黒女に早替りですもの。おほほほほ…………
春香「まったく……伊織じゃあるまいし、私はそんなことしないもーん。」
はぁ!?わ、私だってそんなことしないわよっ!アンタ、私のことを遠回しに腹黒だって言いたいわけ!?きーーーっ!さっきの褒め言葉、やっぱり撤回するわ!この無個性赤リボンっ!!
春香「あーーーっ!それっ!それ言ったら喧嘩になるやつだよ!?だ、第一ね、伊織は前からそういうワガママなところがあるじゃん!それじゃユニットリーダーは務まらないもん!それに私の“海”の方が、伊織の“水”より強そうだしっ!」
はんっ!それなのに何で私がリーダーに選ばれたのかしらぁ?おかしいわねぇ、説明してごらんなさいよっ!!っていうか、その理由がもうガキね!ガキガキガキっ!!
春香「むーーーっ!伊織の方が年下のくせに!たまには春香お姉ちゃんって、妹っぽく振る舞ってくれてもいいじゃん!伊織のデコ!デコデコデコ!!」
デコって連呼すんなっ!春香お姉ちゃんとか、もうアンタの日頃の願望が駄々漏れじゃない!!……ちょっと、プロデューサー。なに見てんのよっ!見せもんじゃないんだけど!?
春香「ぷ、プロデューサーさん!
次に、次に進みましょう!!」