んぉっ!?……こ、こんばんは~?
……なんだ、ただの寝言かぁ。んもうっ。兄ちゃんってば、相変わらず人騒がせ…………っと、こんなことしてる場合じゃなかった。
えと、多分この辺に……あった!オモチャのヘビ!うんうん、やーっぱ事務所に忘れちってたかー。探したんだぞー?このこのー♪
いやぁ、はるばる家からパパに送ってきてもらった甲斐があったよ。ピヨちゃんにLINEしたら、兄ちゃんが残業で残ってるっていうから来てみたけど……鍵開きっぱのまま寝てるんだもん。まったく、無用心ですなぁ。
そうだ!そんないけない兄ちゃんには、真美の愛がた~っぷりこもったラクガキを……ん?
これ、兄ちゃんのスーツ…………
ふふっ、なーんだ。兄ちゃんだって一人のときはだらしないんじゃん。いつも真美たちに偉そうに言ってるくせに、こんな適当に床に投げ捨ててるなんて……もー、全然ダメダメっしょ→!
……そ、そんなダメダメな兄ちゃんにはやっぱりバツが必要だよねっ。バツとしてこのスーツは、せくち→美少女怪盗・真美が貰っちゃうっていうか…………
………………………………
んしょ……んしょ…………わ、やっぱりこれ、ぶかぶか……そりゃそっか。真美もでっかくなったけど、兄ちゃんはもっともっとでっかいんだし。
それにこれ、兄ちゃんの匂いがする……ちょっち汗臭いけど、あんま嫌じゃないっていうか…………むしろ、まぁ、うん…………
……兄ちゃん、今日もお仕事頑張ってたもんね。今だってこんな遅くまで…………真美たちのために一生懸命な……兄ちゃんの頑張ってる匂い…………んふっ……んふふふふっ…………♪
はっ!?やばっ!早く車に戻んないと、パパに叱られるっ!
えと、ヘビは持ったし、今度こそ忘れ物ないし……って、あぶなっ。本当に兄ちゃんのスーツ着て帰るとこだった……んしょ……んしょ…………ふぅ、これでおっけ→!そんじゃこのまま、双海真美はクールに去るぜぃ!
……真美の匂い、スーツについてない……よね?
いや、真美は兄ちゃんと違って汗臭くないから匂いなんて……え、でも真美が兄ちゃんの匂いってわかるように、兄ちゃんも真美の匂いってわかったりして…………
もしそうだったら……真美の匂い、兄ちゃんは好き……かな…………って、いやいやいや!そんなのどうだって……どうだって…………
……う、うあうあ~っ!なんで真美がこんなドキドキしなくちゃいけないのさ~っ!!
これもそれもあれも、ぜ~んぶ兄ちゃんのせいだっ!明日会ったら、このヘビでいっぱい驚かせてやる~~~っ!!兄ちゃんのあほ~~~っ!!
こんばんは【双海真美】