……そう、か。
(隣に座った国広が、少し躊躇って、でもそっと手を握り込んでくれた)


…俺たちは、人としては結局紛い物だから。主の寂しさを、本当の意味で埋めてやることは出来ないのかもしれない。
あんたの気持ちを、理解したいと思う。でもきっと、本質は刀だから。

…それでも、あんたがくれたこの心が、痛む。
あんたが育んでくれた内側の柔らかいところが、何故か痛むんだ。
そんな顔をして欲しくないと思う。ずっと笑っていて欲しいと思う。

だから、…まだ傍にいてもいいか。


(返事の代わりに手を握り返すと、柔らかな声で、ありがとうと微かに聞こえた)

寂しい