そして次に目が覚めたのは、ガリアの戦時病棟だった。
生きていた、覚醒と同時に押し寄せる激痛がなによりの証拠だった。
……あの戦いの後、俺はガリアの将に拾われたらしい。
『デインの勇猛なる戦士に敬意を評して』だと。
物好きなラグズもいるもんだ。
どのみちデインには戻れないし、クリミアに下るくらいなら、とありがたく厄介になることにした。
余談にはなるが、俺はとくにラグズを嫌悪していない。
デインではやれ半獣、穢らわしい存在などと虐げられていたが、俺はそっちのほうが疑問だった。
これも父親の教育の賜物だったのだろう。
異邦の地で、うっかり命を落とすことにならなかったことを、改めて父に感謝した。
話を戻そう。
俺はガリアで療養の日々を送りながら、ガリアの民と交流した。
後ろ足で砂をかけられたりもしたが、一部の者は親身になって接してくれた。
その中で特に良くしてくれたラグズが何やら昔、ベオクの傭兵団と行動を共にしていたらしい。
なんでも匂いが似てる、だとかで嫌悪感がなかっただとか。
確か、大柄の青い髪のラグズ……だったと思う。
そんな彼の話を聞くうちに、俺はその傭兵団に興味が湧いたんだ。
常勝無敗の傭兵団。
しかも団長はあの救国の英雄、ときたもんだ。
もちろん興味を持たないわけがない。
なんとかツテはないものか、と問いたところ、ガリアの将軍にまで話が伝わってな。
終いには何故か王の紹介状まで握らされていた。
ただ強いからって、他国の人間にここまでするんだから文化の違いって恐ろしい。
いや、マジで。
んでもって