俺の故郷はクリミアとデインの国境付近にあって、山賊がかなり多かった。
ちょうどベグニオンとも面している国境付近、ならず者どもが潜むにはもってこいの環境。
そんな奴らから何年も町を守り通してきた評判が耳に入ったらしい。
そしてデイン王国のアシュナード王といえば、生まれ身分に関係なく強者を側近として取り立てるって有名な話だろ。
ちっぽけな傭兵団からのし上がるにはまたとない機会だったわけだ。
団長は計算高く向上心の強い男だったから、迷いなくその要請を受けることに決めたんだ。
ただ、古くから居る団員はそれを良しとしなくてな。
当然団は真っ二つ。
結果、団は二つに割れることになっちまった。
生まれの町に残った古参とデイン王国兵となった団長以下の比較的若い団員。
俺は━━。
団長に着いていった