それから数日後

○○は普通にその道を通るようになっていた


「また来たのう」

館の門の前で、リグデイルが腕を組んでいた

「出待ちやめてもらえます?」

「出待ちではない。巡回じゃ」


バルコニーではなく、地面にいる時点で珍しい

アリシェナが後ろからひょこっと顔を出す

「おかえりなさいませ」

「なんで帰りを待ってるみたいになってるの、ここ」

「気にするでない」

リグデイルが当然のように言う

「私は寛大じゃからのう」

「昨日、コンビニの袋見てまたあれかって言ったよね」

「観察じゃ」

「ストーカーじゃなくて?」

「巡回じゃ」


アリシェナが小声で付け足す

「あと夜食チェックも兼ねてます」

「それ普通に生活覗いてるやつ」



館の門が勝手に開く

「入るがよい、この前気になると言っておったじゃろ」

「……お邪魔します」

中に入ると、妙に生活感があった

ソファ、冷蔵庫、テレビ、ゲーム機などがある


「……普通にゲーム機あるんだ」

リグデイルがコントローラーを持ち上げる

「これで対戦をやった」

「やったんですか」

「アリシェナに負けた」

アリシェナがにこにこしている

「リグデイル様、反射神経が遅いので」

「それはその…昨日よく眠れなかったんじゃ…それが問題じゃ」

「年齢の問題じゃないですか」

空気が一瞬止まる

リグデイルがゆっくりアリシェナを見る

「……今、何か言うたかのう」

「いえ、何も」

アリシェナが慣れた様子で

「お茶淹れますね」

「吸血鬼の館でお茶出るんだ」

「紅茶じゃ」

リグデイルが誇らしげに言う

「血は?」

「人前ではちょっと…」

アリシェナが即座に制止する

「一応コンビニで買っておる」

「普通に流通してるのかよ」

ソファに座ると、リグデイルが隣に当然のように座ってくる

距離が近い

「おぬし」

「はい」

「最近、ここに来る頻度が高いのう」

「通る場所なんで」

「通学しておるのか」

「社会人です」

「……そうか」

少しだけ沈黙

アリシェナが紅茶を置く

「リグデイル様、気に入ったってやつですね」

「違う」

即否定された

「……違うのじゃ、……多分」

「多分って言いましたね、今」

主人公はため息をつく

「ここ、もう普通に寄り道ポイントになってるんだけど」

「じゃあ常連さんですね」

「なんで受け入れてるの…」

リグデイルが紅茶を一口飲む

「……悪くないのう」

「何が?」

「おぬしの存在じゃ」

「急に評価されてる」

窓の外は星が輝いていた

出会い2