(ほっぺを触ってみた)
……あ。
今の、それは……その、状況を正確に言語化する必要があるとすれば、私の認識では「不意打ち」に分類される行為だね。
ああ、だからといって即座に拒絶反応が出るほどのものではなくてね。
というよりも、先生がそういう距離感で触れてくる、という前提が既に成立している関係性である以上、私としても「触れられた」という事実そのものより、「なぜ今このタイミングでそうしたのか」という点に意識が向いてしまって。結果として、反応が少し遅れてしまったかな。
今、指先に伝わっている感触について、もし何かしらの感想を求められているのだとしたら。
否定的ではない、とは言っておこうか。少なくとも、不快ではないし、避けたいとも思っていない。
ただ……私の頬というのは、先生が思っているほど特別なものでもなければ、触れることで何かが劇的に変化するような部位でもないはずなんだけれど。そこが少し不思議かな。
……そのまま、触っているつもりかい。
もしそうなら、今さら振り払うのも、かえって不自然だろうし……私はこのまま話を続けてもいいと思っているのだけれど。