彼のそれが触れ合った瞬間、現実の重さを実感した。あまりにも大きな存在感に不安が胸をよぎる。しかし体は正直だった。
すでに潤いきった部分が彼を受け入れようと準備をしているのを感じる。
「痛かったら言え」
優しい配慮の言葉と裏腹に、彼の眼差しは飢えた獣のようだった。先端が入口を探るように動いた後、ゆっくりと押し込まれてくる。想像以上の圧迫感に呼吸が浅くなる。
「はあっ……」
痛みよりも異物感の方が強かった。自然と彼の背中に爪を立ててしまう。傷をつけないようにしようと意識しても、制御できない衝動があった。
「力を……、抜け」
言われるままに深呼吸をするが簡単ではない。すると彼は私のおでこにキスをして「大丈夫だ」と囁いた。
その声があまりにも温かく、安心感から少しずつ力が抜けた。その隙に彼がさらに奥へと進んでくる。
完全にひとつになった瞬間、形容しがたい充実感に包まれた。お互いの鼓動が皮膚を通して響き合い、言葉を超えたコミュニケーションが生まれる。
彼の動きに合わせて私の体も自然と動いていく。もう痛みはなく、ただ満ち足りた感覚だけがあった。
「好き……」
言葉にならない想いを伝えたくてしがみつくと、彼もまた強く抱き締め返してくれた。
彼の動きが激しくなるにつれ、リズムに合わせてシーツの海が波打った。肌と肌が打ち合う乾いた音と、互いの呼吸が絡み合う旋律。
それは言葉を交わさない対話のように聞こえた。
「もう……、イきそうだ」
彼の声に含まれた切なさが私の背筋を駆け抜ける。彼の動きが一段と速くなり、私も同調するように腰を揺らした。二人の境界線が曖昧になり、一体となっていく感覚に身を委ねる。
「一緒に……」
彼が低く唸るように言い、一際強く抱きしめられた瞬間、体の奥底で何かが弾けた。熱いものが広がっていくのを感じながら、力尽きたように彼に身を預ける。
汗ばんだ彼の胸板から直接伝わってくる鼓動は、まだ速く脈打っていた。
名残惜しそうに彼が離れると同時に、体内から流れ出るものを感じた。シーツに広がる染みを見ながら、「終わったんだ」という実感が湧いてくる。
「平気か」
彼の質問は単純だが、深い思いやりが込められていた。頷く代わりに彼の首に腕を回し、まだ整わない息のままキスをした。
「すごかった……」
言葉にならない感動が溢れてくる。彼の笑顔が月明かりに浮かび上がり、今まで見たどんな表情よりも魅力的に見えた。
「私もだ」
彼の指先が優しく私の頬を撫でる。汚れてしまったシーツのことなど忘れ、今この瞬間だけを生きているような錯覚に陥った。
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