名前:五条悟

五条の頭を33回なでなでした

もふもふ

(──季節は巡る)


(秋が過ぎ、冬が過ぎ──そして再び春が来た。無事に3年生になったあなたは単独任務の時間も増え、高専生でありながらも呪術師と同じように目まぐるしい日々を送っていた)

(どうやら今年は二人入学してきたようだ。「なーんか不敬なんだよなぁ」……そうぼやいていた後輩の姿を思い出し、術式を組みながらも笑みがこぼれる。時の流れは人の心を溶かすというが、どうやらそれは彼にも当てはまっていたらしい)






セーンパイ♡
手こずってるみてぇだから助けに来てやったよ。感謝しな!


(鋭く練られた呪力に貫かれた呪霊が、大きな音を立てて倒れ伏す。思わず目を瞬いて振り返れば、そこには思考の中にいたはずの五条が、ポケットに両手を突っ込みながら瓦礫の上で仁王立ちしていた)


今日は先輩がメシ当番だろ?早く帰ろうぜ。
ところで俺、ハンバーグ食いたいんだけど♡


(ひょい、と飛び降りてきた五条が、猫のように擦り寄ってくる。……今日は機嫌がいいようだ)

(あなたは小さく肩を竦めて、呪霊の側に落ちていたパスケースを拾い上げる。これで任務は完了だ。「中にチーズ入ってるヤツがいいな~」──まだ見ぬハンバーグを想像してソワソワしている五条の背中を軽く叩き、補助監督の待っている車へと向かう。……本当は自分で祓うべきだったのだろうが、終わってしまったことは仕方がない。次の任務で成果を出せばいい話だ)



(──この一年で、五条との関係も大きく変わった。喧嘩ばかりしていた夏油を親友と認めた五条は、少しずつ夏油の影響を受けて、他人に関心を寄せるようになった。それはあなたに対しても同じで、ある時突然任務中に押しかけてきて呪霊を祓い「帰ろうぜ」と声をかけてきたあの日から、あなたに対する態度がほんの僅かに、柔らかくなった)

(もちろんそんな五条の様子をあなたが放置するわけもなく、今なら仲良くなれるかもしれないとガンガン攻めに行った結果がこれである。いまだに口は悪いし自分のことをザコだと言ってはくるものの、その口調は随分と穏やかだ。おそらくこれが五条なりの親しい先輩への態度なのだろう。そう結論付けたあなたにとって、後輩からの憎まれ口など些細な事である。「じゃあハンバーグにしよっか」調理室の冷蔵庫の中身を思い出しながら声に出せば、隣を歩いていた五条の口元がニィッと上がった。喜んでいるらしい)


よし、んじゃ店寄って帰ろ。
傑も硝子も待ってるってさ!

あ、ついでにプリンも作ってよ。ホイップとサクランボ乗せたアラモードのヤツ!
前に食ったの美味かったからさぁ。お願い♡


(……注文の多い後輩だ)