(「お忙しいところすみません、手が空いてたら迎えに来てくれませんか?」──待機中に届いたメールに即座に返信し、車を走らせてから一時間。指定の場所に到着し運転席から降りると、解除された帳の奥で、一人の生徒が武器を鞘にしまうのが見えた)

ふぅ……これで大丈夫。
後は──
(息を吐いた青年が何かに気付き、パッと顔を上げてこちらを見る。その瞬間、まるで花のように笑顔を咲かせて、こちらの方へと駆け寄ってきた!)

良かったぁ~~。〇〇さん来てくれたんですね!
行きは別の補助監督さんに送ってもらったんですけど、お財布持ってくるの忘れちゃって……このままだと歩いて帰らなきゃいけないかもってヒヤヒヤしてたところでしたよ~。
〇〇さんの予定空いてて助かった~!
(へにゃり、と目尻に涙を浮かべて笑う彼に苦笑しつつ、背中を押して後部座席へと乗せてやる。先ほどまでのピリピリとした雰囲気を一蹴して人が変わったように柔らかくなったこの青年は乙骨憂太、今年で2年になる高専生だ。礼儀正しく座った乙骨がシートベルトをしたのをミラーで確認しつつアクセルを踏めば、にゅっと身体を前に倒し、乙骨が話しかけてきた)

あ、でも勝手に呼び出しちゃって良かったのかな……?
五条先生、何か言ってませんでした?
「別行動だったから問題ない」?
あ~……、これ絶対あとで説明しといた方がいいやつ……。
………ま、いっか。こうやって〇〇さんと話せるのも久しぶりだし……うん。
(何故か急に悩み始めた乙骨に首を傾げつつ、高専へと車を走らせる。久しぶりに顔を合わせたが、元気そうでなによりだ)
久しぶりだね、元気だった?なんか…すごく大人っぽくなった?せっかくだし寄り道しちゃう?相変わらず可愛いね~憂太の顔みたくて飛ばしてきたよ乙骨くん英語ペラペーラ?