(散々口内を弄んだ厚い舌が、ぬるりと上顎を舐め上げながら抜き取られる。ただひたすらに唾液を流し込まれて、飲むことを強要させられた)
(ほんのりと顔を赤く染め、自身の唇の端を舐めてこちらを見下ろしている男の色香は凄まじい。──が、それよりも一番に思うのは、久々に味わう満腹感だ。再び口付けてこようとする五条の胸を押し、身を起こす。途端に五条の唇がむいっと不満そうに突き出された)

……もう終わりかよ。
僕はもっとしたかったのに。
(ブツブツと文句を言い不貞腐れる五条に内心ため息を吐き、腕を取りソファへと誘導する。その巨体がしっかりと座面に沈んだのを確認してから、拗ねている五条の頭を撫でた)
…………。僕のこと、嫌いになった?
(横目でちらりとこちらを見て、そのまま視線を落として呟く五条に首を振る。否定されたのが余程意外だったらしく、驚いた顔で二度見された)

……………僕、ケーキなんだ。
発覚したのは高専に入学して、少し経った頃かな。あの時はまだバース性が発現したてで国をあげての研究が始まったばかりで、僕自身もこの特性をあまり理解できてはいなかった。……でも、なんとなく、誰かに食べられてみたいってずっと思ってた。
僕は呪力が多いから、タブレットですら吐き戻されることが多くてさ。硝子には無理だから諦めろって何度も言われたよ。
だけどこれは本能なんだ。人間に欲があるように、フォークがケーキを食べたいように……ケーキにも食べられたい欲がある。
この世界の何処かに僕だけのフォークが居るはずだって、ずっと信じて生きてきた。
だから……△△が僕のタブレットを食べて美味しいって言ってくれたのが嬉しくて。でもオマエは自分がフォークなのが嫌みたいだったから、言うつもりは全然なかった。
だけど僕以外の奴と楽しそうに話してるのを見ると、なんだか頭がカッとしちゃって……。

はぁ……ほんっと、自分でも信じられない。
僕が一人の人間にここまで執着するなんてさ!
……で?
僕は自分の気持ちを曝け出したわけだけど、△△はどうすんの?
まぁキミに選択権なんか無いけどね。
(五条は一瞬だけ視線を宙に彷徨わせてから、キッとこちらを睨んできた)
というわけで△△、今日からキミは僕のフォークだから。
他のケーキを食べたら殺す。浮気しても殺す。
……そのかわり、僕を好きに食べていーよ。
僕は反転術式が使えるから欠損しても平気だし、キミにとっても破格の条件でしょ。
反論は一切受け付けませーん!
(ツーンとそっぽを向く五条だが、その頬はほんのり赤く染まっている。どうやら照れているらしい)
(どうせ自分が何を言っても、この男の考えが覆ることはないだろう。……それに自分自身時折、この男を可愛いと思ってしまうのも事実だ。あなたは了承の意を伝え、五条に右手を差し出した)

……そこはチューじゃないのかよ。
まあいいけど。
(五条とバース契約をした!)