(──あまりにも明け透けな言い方に、ぱちくりと夏油の目が瞬く。……無遠慮だっただろうか?慌てて謝罪をしようとしたところで──「ははっ」と小さく笑う声が響き、思わず顔を上げて夏油を見た)
実はコレ、すっごく不味いんです。ゲロを拭いたぞうきんみたいな味っていうのかな?
食べてみます?
(言われるがままに手を出せば、ころんと呪霊玉がてのひらへと落ちてくる。……なんだかゾワゾワした感触だ。好奇心から少し匂いを嗅いでみて後悔し、なるべく顔から離すように限界まで手を伸ばす。そんな様子が更におかしかったのか、夏油はクスクス笑いながらあなたから呪霊を取り上げ、慣れた手つきで飲み込んだ)
………ふう。これで今日の分はおしまい。
さて。もう夜も遅いし、先輩も早く部屋に戻った方がいいですよ。
(呪霊を飲み込んだ夏油はいつものようにニコニコしていて変わらない。……あんなにも不味い物を、普段から毎日のように飲み込んでいるのか。もしそれが自分の術式だったら──そう考えずにはいられなかった)
(あなたは勢いよく立ち上がり、食堂の隅に置いてあるラックへと向かった。そのまま手当たり次第にラックの中からいろいろな大袋の菓子を取り出して、抱えながら夏油の元へと走る。「これ全部食べていいから!」──そう大きな声で宣言するあなたを見て、夏油は今度こそ、ぽかんと口を開けてこちらを見た)
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