夢中になってお店を回っていたからか、陽が沈み始めていることに気づいたのは辺りがライトアップされてからだった。店々にはあたたかな光が灯り、クリスマスのムードが一層深まる。
…もうすぐイルミネーションの時間だ。ここに着いた時からずっと楽しみにしていた…何より瑠果と見られることが私にとっては凄く嬉しかった。

───のだけど。



「ねえ瑠果……………うわっ!?」

早く見に行こう、と続く言葉は口に出来ないまま……突然自分に覆い被さる瑠果にドギマギすることしか出来なかった。
こんな道の真ん中で抱き締めるなんて大胆だななどと嬉し半分に考えていたが、どうも様子がおかしい。
肩口で聞こえる荒い息使いに心配になり顔を覗き込むと、唇は青く小刻みに震え、元々白かった肌が病的なまでに青ざめてしまっている。
瑠果は前にも同じような症状で学校で倒れかけたことがあった。貧血持ちの彼は過度な運動や寝不足などで度々貧血を起こしていたが、その時の原因は夜中まで通話で私の話に付き合ってくれていたからだった。
─私はまた、瑠果に無理をさせてしまった。

ともかく今は自分を責める前にやることがある、と瑠果を人混みから離れたところに連れていくために肩を貸す。
依然荒い呼吸は本当に苦しそうで─。
瑠果の口から小さく零れた「ごめん」という言葉に、それを言わなきゃいけないのは私の方なのに…と情けなさで視界がじわりと滲んだ。


寒空瞬く一等星5

名前:るかと愉快な仲間たち

るかはLv.60になった!▼

人物紹介