僕の横で楽しそうに笑う◯◯。そのあどけない笑顔に胸の奥が熱くなるような、ぎゅうと締め付けられるような…なんだか苦しくなって思わず顔を逸らす。
この感情を言語化するのは簡単だけど僕の中の"迷い"が邪魔してる。漫画とかドラマとか、知識では知っていても経験のない僕が答えを出すにはまだ早いような気がして…
…なんて。本当は、僕が臆病なだけなのだけど。
急に黙り込んだからか不思議そうに見上げてくる◯◯に「なんでもないよ。ほら、向こうのお店見に行こう」と手を引いた。
……今のは自然にできていただろうか。

──

先程出店で買ったホットチョコレートを飲みながら、店の商品棚を眺める。
ここはどうやら雑貨屋らしく、小さなサンタの置物やトナカイの小物入れなど、いかにも◯◯が好きそうな可愛らしい雑貨が並んでいる。
ちらりと横目で彼女を見ると子供のようにキラキラと目を輝かせながら何かに夢中になっている様子。視線の先を追うと─そこにはクリスマスツリーが閉じ込められたスノードームが。
ヒラヒラとガラスのドームの中を舞う雪がツリーに振り積もっていく。雪が綺麗と笑うのは…なんて好きなアーティストの曲を思い出して、歌詞に自分と彼女を重ねてしまったことにジワジワと恥ずかしくなってくる。うう…僕はこんなにロマンチストだったか?
とか悶々と考えているうちに◯◯は既に他の店に興味が移っていたようで、僕は慌てて「待ってよ」とその背を追いかけた──小さな紙袋を片手に。


寒空瞬く一等星4

名前:るかと愉快な仲間たち

るかはLv.60になった!▼

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