凍てつくような冬の空気。木々は木枯らしに枝を震わせている。
私も同じようにぶるりと身を震わせながらチラリと時計を見る──約束の時間の10分前。
少し早く着きすぎたかな。この寒さはさすがに堪える…なんて考えながら抱えていた荷物をぎゅ、と抱きしめた。この中には待ち合わせ相手─瑠果へのプレゼントが入っている。
12月22日。…今日は瑠果の誕生日だ。
いつも仲良くしてくれている彼の為に日頃の感謝も込めて誕生日を祝いたいと思い、遊びに誘ったところ快くOKしてくれた。
誕生日に2人きりで過ごすなんてデートみたいじゃないか?なんて色惚けたことを考えてしまうのは、きっとクリスマスムードに浮かれた街のせいで──クリスマスも、瑠果と過ごせたらな…。
……ダメだダメだ、瑠果はただの友達なんだから。とブンブンと頭を振り妄想をかき消した。
周りの雰囲気に流されやすい自分にハァとため息を吐く。白くなった息に彼の髪を思い浮かべながら荷物を抱え直した。
……瑠果、早く来ないかな。
寒空瞬く一等星