(キッチンの包丁を素早く手に持ち、怨の左胸を突き刺そう、とした。)


(カアン!という金属音が響いたのに遅れて、手首に激しい痛みが走る。手首ごとバッドで吹っ飛ばされた。)




(バランスを崩し、車椅子と一緒に床に強く叩きつけられる。全身の痛み、手首の痛みで咽び泣く。見上0げると、バッドを肩に置き、無表情の怨がこちらを見下ろしている。)





....可哀想に。




でも、悪いことしようとしてたんだから、仕方ないよね。

...わかってる?

優斗がいなくなった今、

君が頼れるのはもう、俺しかいないんだよ?




痛いね、可哀想だね。

でも、自分で選択したことだもんね。

...君は優斗と一緒にいるべきではない。

佐藤くんみたいな、って言ったら極論だけど

“正しい選択”をできる男と一緒にいた方がいい。

優斗は自分のことしか考えてないから。


君は絶対に幸せになれない。



....痛いことしちゃってごめんね、

すぐ手当てしてあげる。


こっちおいで?


(しゃがんで目線を合わせ、頭を優しく撫でられた...)

◇怨を刺す