尿意を催した。電気はつけず、仕方なくトイレに行った。)



(これは...大の気配。やむなく、トイレにこもった。)




(いきなり、廊下の電気がついた!)


(佐藤が、こちらを探す声が聞こえる。)




....貴女さん、


どこ、ですか。


貴女さん!!


まだ家のなかにいるはずですよね?



...あぁ、そうやってまた、僕を裏切るんだ...


やっと、僕のことみてくれたと思っていたのに!



全部僕から逃げるための演技だったんですか?!





....誰にも渡してなんかやりませんよ。


貴女さんは僕のものだから!!!



(荒々しく扉を開ける様子がみられる。)



ここですか?!


....ちがう。




.....ここも、いない。




(だんだんと声が近づいてくる。)




嫌だぁ...ッ、う、


僕をひとりぼっちにしないで、


貴女さん、お願い、出てきて...っ



(とうとう、扉の前に立たれた。)


(鍵をかけている。勿論扉は、開かない。)


.....ここにいたんですね。



開けてください。



(ガチャガチャ、ドンドンドンと扉から忙しなく音が響く)



貴女さん、もう諦めて出てきてください。


じゃないと、......どうなっても、知らないですよ?

(相当怒っている。あの一切の感情が抜け落ちた佐藤の顔が容易に想像できる。怖い。)


(変わらず、扉からの音は忙しなく鳴っている。思わず耳を塞いでしまう。)



あぁ、貴女さん、


怯えているのですか?


可哀相に、本当に。


僕から逃げなければ、こうならなかったですのにね。



慰めて差し上げたい...。



大丈夫、怖くないですよ♡


開けて、くれますね?♡


(先程とは打って変わり、甘い猫撫で声で話しかけられる。これはきっと罠だ。開けた瞬間、“お仕置き”が待っているはずだ。)

(絶対開けない。)




......貴女さんは、そう、選択されるのですね。わかりました。




(その瞬間、扉がすんなりと開かれた。)






貴女さん、これで2度目ですよ。


僕を、裏切ったの。


ひどい、貴女さんは、酷い人です。


僕が傷付こうが、死のうが、

自分が良ければ、かまわないのですか?



まぁ、そんなことは今どうでもいいですね。



(大股で一気に距離を詰められた!)


(逃げようにも時既に遅く、佐藤の腕に捕えられてしまう。)



次は、逃げられないように足枷でもつけておきましょうか♡

可哀相ですが、仕方ないですよね。

大丈夫。不便な分は僕がお手伝いします♡

(もう許して、ここから出して、全ての気持ちを佐藤にぶつける。)




........





聞こえないですね。


最初に僕の気持ちを無視したのは、貴女さんの方ですから。


それなら、僕だって貴女さんのお願いは聞けません。




さぁ、戻りましょうか♡




貴女さんもまだ寝たくないみたいなので、

ベッドで一緒に“仲直り”しましょう♡


(何を言っても、佐藤には届かない。)


(絶対に、逃げられない。)
トイレに行く