(初公判が開かれた。)
(優斗があっさりと罪を認めたため、裁判はスムーズにすすんだ。)
(一応、被害者遺族である佐藤にも、しっかりとした謝罪が行われ、賠償金も払う、と約束された。)
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....優斗さんが関わらなければ、私は一生、父親の現在を知ることもなかったでしょう。離婚前の幼少期の記憶は、あまりいいものではなかった。だから、...最低な人間だ、と改めて実感しました。
しかし、だからといって殺人は許されることではありません。関係ない私も、貴女さんも、優斗さんから殺されかけたわけですから...。
しっかりと罪を償ってください。
...私からは以上です。

....。
(こちらに向かって、軽くお辞儀をされた。)
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(それから裁判は順調にすすみ、最終陳述の日となった。)

....被害者だけでなく、佐藤さん、貴女さんも巻き込んでしまったこと、心からお詫びします。
...しかし、僕の妹は、ネットにあられもない姿を晒された。いくら消しても、一生残る傷をつけられた。.....被害者に問い詰めても反省の色なく、他の女性にも手を出している様子。どうにかして被害者の心からの反省を期待していましたが、ついぞその日が来ることはなかった。
殺人決行の日、被害者を憎む気持ちは変わらず、...許されないことをした、と気づいたのも、燃え上がるような復讐心が冷め、被害者が息絶えてからでした。妹のような被害者は、きっと表に出ていないだけでたくさんいる。....僕は、僕の罪と一生向き合いながら、妹のような被害者を産み出さないためにも、自分にできることがあれば、なんでも協力していきたいと思います。
(最後に、優斗は深く数十秒にわたるお辞儀をした。顔を上げると、優斗は警察と共に出ていった。)
(なんとも言えない、切ない表情をしていた。演技の可能性も否めないが、...終わりが近い、人間の表情をしていた。)
(判決は...)
◇無期懲役