名前:五条勝

チョコは嗜む程度に7個食べますよ

良いでしょう

(朝練が終わる頃を見計らい、教室の死角で息を潜める……)

(沢山の足音がどよどよと聞こえ、話し声とともに数名の生徒が教室に入ってくるのが分かった。あの声は、サッカー部の皆だろう)

「あーあ……折角恋愛禁止が解かれたのに恋バナの一つも無しかよ、虚しいねえ」

「言い出しっぺのお前だって、そもそも好きな女すらいないだろ」

「これから作るんだよ!これから!」

「オレだってそういう事だよ……前々から目ぇつけてた女がいたって訳でもないし」

(驚かすつもりで隠れたのに恋バナが始まってる。気まずくて出られなくなってしまった)

「前からって言えば五条、いつから○○の事気になってたんだ?」

(!?)

「ククク……さて、いつからでしょうね」

「へえ?気になってること、否定はしないんだな」

「今更でしょう、それくらい」

「何でもない顔して進んでんじゃねえよ、羨ましい奴」

「まさかお前が、好きな相手のことだけは分かりやすくなるなんてな」

「ハハハ!」

「ククク……」

(聞き慣れた、喉奥で笑うあの声が聞こえてくる)

(ど、どうしよ、ますます出られない……)
隠れる