「えへへ、よろしくねぇ…」
(見上げると、そこには壁がそびえ立っていた)
(分厚い首から顎にかけて肉が幾重にも折り重なり、顔の輪郭はほとんど埋もれている)
(巨体に押し広げられたシャツは突っ張って、ボタンの間から中身が覗いていた。胸も腹も一つの塊のようになっていて、腕は太ももほどの太さがある)
「ふぅ、…暑いねぇ、へへ」
(男が一歩踏み出すたびに、床が軋み、男の湿ったような汗の匂いが鼻をついた)
(嬉しそうに腹を揺らしながら、男はどしんとベッドに腰を下ろした。スプリングが耐えきれずに、悲鳴をあげる)
「……んえへへぇ、」
(だらしなく笑いながら、男はさらに体重を後ろへ預けた)
(ベッドの脚が大きく軋み、僅かに床へ沈む)
(シーツの上に広がる肉の塊が、じわじわと布を引っ張るように沈み込んでいった)
(男が動くたびに、スプリングはギシ…ギチ…と頼りない悲鳴を上げる)
「ねぇ、早くしよ?」
(急かしてくる男を見上げ、ごくりと唾を飲む。恐る恐る、ベッドへと上った)
→ ※ここから先は生理的嫌悪を感じる可能性があります。