(ワイングラスが揺れる。女の指先が、ゆったりとそれを弄ぶのが視界の端に映った)
「ふふ……そう。いい子ね」
(甘やかな声に促され、僕はただ言われた通りに、まだ何の熱もないそこに自ら触れた)
(ただ、言われるまま女に従い、己のものに手を添えて動かすだけ)
(それを続けていると、音が加わった)
(ーーくちゅ、ぬち、)
(湿り気を帯びた感触に、眉がわずかに寄った)
……っ、
(息が漏れた瞬間、女がくすりと笑うのが見えた)
「そう、…そのまま、ゆっくり」
(目の前の椅子に座った女は、ワインを傾けながら、ただ目を細めて自慰の様子を眺めていた)
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